給湯省エネ2024事業を徹底解説|対象者・補助金額・申請方法まで

2023年に実施され、省エネリフォームの大型補助金制度として大きな反響を呼んだ『住宅省エネ2023キャンペーン』。2023年11月からはその後継事業にあたる『住宅省エネ2024キャンペーン』の実施が始まりました。そのうちのひとつである「給湯省エネ2024事業」は家庭の中でもエネルギー消費量が大きい給湯器に焦点を当てた補助金制度です。本記事では注目度の高い「給湯省エネ2024事業」の対象者、補助金額、申請方法など、気になる点を一挙に解説していきます。

1.「住宅省エネ2024キャンペーン」とは

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて実施された補助事業の総称です。この事業には以下4つの補助事業があり、主に一般家庭を対象として住宅の省エネ化を推進しています。

  • 給湯省エネ2024事業(2023年「給湯省エネ事業」の後継事業)
  • 先進的窓リノベ2024事業(2023年「先進的窓リノベ事業」の後継事業)
  • 子育てエコホーム支援事業(2023年「こどもエコすまい支援事業」の後継事業)
  • 賃貸集合給湯省エネ事業(2024年からの新規事業)

これらの事業は同時に併用することができるとあって、住まいのリフォームを考えている家庭や快適性を求めている方にも好評を博しています。以上のうち、本記事でテーマに扱うのは、エネルギー消費量が大きい給湯器のリフォームを対象とした「給湯省エネ2024事業」です。

2.「給湯省エネ2024事業」の対象者・実施期間・補助金額目安

「給湯省エネ2024事業」は経済産業省資源エネルギー庁が打ち出した補助金制度のこと。2023年から開始され、2024年で二度目の実施となります。人気の補助金制度ですが、予算が予め定められており、申し込みのタイミングによっては補助対象から外れてしまうことも。給湯器まわりのリフォームをお考えの方は、以下でしっかり当事業の内容をチェックし、乗り遅れないようにしましょう。

2-1.対象となる方

この制度は、新築やリフォームされた一戸建て及びマンションのオーナーが、エネルギー効率の高い給湯設備を設置することを目的としています。給湯設備の導入は、省エネに取り組む事業者との契約に基づき、カスタムビルドの新築住宅、改修プロジェクト、分譲住宅の購入時、または既設の給湯器の更新といった手段を含みます。

リースオプションを選択した場合は、6年を超える契約期間がこの制度の適用条件となります。また、設備を個人で設置する際には、省エネルギー機器の導入やCO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度「J-クレジット」への加入が必要です。

2-2.対象となる工事と補助金

給湯器種類補助額加算要件加算額最大補助額補助上限
エコキュート8万円/台A要件(※1)+2万円/台13万円/台・戸建住宅:いずれか2台まで

・共同住宅等:いずれか1台まで
B要件(※2)+4万円/台
A+B要件+5万円/台
ハイブリット
給湯器
10万円/台A要件(※3)+3万円/台15万円/台
B要件(※4)+3万円/台
A+B要件+5万円/台
エネファーム18万円/台C要件(※5)+2万円/台20万円/台

(※1)(※2)エコキュートの対象機器の詳細の「加算要件」をご確認ください
(※3)(※4)ハイブリッド給湯機の対象機器の詳細の「加算要件」をご確認ください
(※5)エネファームの対象機器の詳細の「加算要件」をご確認ください

2-3.撤去加算額

「対象となる工事と補助金」の設置で以下を撤去する場合、定額に応じた補助をします。あわせて検討してみましょう。

工事の内容補助額(加算額)補助上限
電気蓄熱暖房機の撤去10万円/台2台まで
電気温水器の撤去5万円/台「対象となる工事と補助金」で補助を受ける台数まで

また、この場合の必要書類は以下となります。事業者側で一切の手続きを行なうため、自分自身で用意する必要はありませんが、念のため知識として押さえておくと事業者との認識のズレを防ぐことができます。

・撤去工事の契約書
・撤去前の写真(撤去台数分)
・撤去後の写真 (撤去台数分)
・撤去する電気温水器の銘板写真(型番号/品番が分かる物)

2-4.対象とならない工事例

・中古品やメーカー保証外
・店舗専用
・住宅以外の用途で使用する機器
・省エネ性能が下がる機器
・補助金額未満の経費での工事
・施主が購入し事業者に取り付けを依頼する工事
・自社保有住宅への自社施工
・DIYリフォーム

2-5.対象となる期間

着工日の期間が2023年11月2日〜遅くとも2024年12月31日まで

詳細は公式サイト「給湯省エネ2024事業」:購入・工事タイプ、公式サイト「給湯省エネ2024事業」:リース利用タイプをご確認ください。

3.「給湯省エネ2024事業」の申請方法

それでは「給湯省エネ2024事業」の手続きに必要な一連の流れや必要書類の概要を本章で説明していきます。手続きは早期予約も可能なため、補助金制度の利用を確実にしたい方はぜひ予約も合わせて検討してみてください。

3-1.手続きの流れ

2023年11月2日以降に実施される工事が支援の対象になります。支援金の申請には予約制度があり、できるだけ早く予約することを推奨します(予約は任意)。なお、交付申請の予約受付期間は3月中・下旬頃より可能となる見通しです。
申請に必要な文書は、支援事業者が代行して提出してくれます。

(1)工事契約を結ぶ

支援を受けるためにはまず、事業者(*1)と工事請負契約を結ぶことが求められます。(リースを利用する場合は、リース契約が必要となります。)
契約を結んだ工事のみが支援の対象と認められます。

(*1) 補助対象者の代理として交付申請を行ない、受け取った補助金を補助対象者へと還元する役割を持つ、事務局によって登録された工事実施業者のことを指します。

(2)工事をする

工事請負契約を締結し、2023年11月2日以降に工事着手した工事が補助の対象となります。

(3)交付申請の予約に必要な書類を用意する

交付申請を予約することで、交付申請予定額を一定期間確保することができます。補助を必ず受けたい方はこの制度を有効利用し、予算の上限に達してしまう前に支援を確定させておくのがおすすめです。

(4)交付申請に必要な書類を用意する

交付申請を行なうためには、工事と引き渡しが完了していることが条件です。予約時(*1)に提出した書類の再提出は不要ですが、必要に応じて追加の書類提出が求められることがあります。
申請に必要な書類は、「3-2.給湯省エネ2024事業の必要書類(購入・工事タイプ/リース利用タイプの場合)」 をご確認ください。

(*1) 「(3)交付申請の予約と必要な書類を用意する(任意)」 を指します。

(5)補助金の還元を受け取る

最終的に補助金は事業者に振り込まれ、その後、工事を発注した者に対して還元されます。原則として、関連する契約金額(最終支払いに限る)に適用されますが、現金での還元も選択できます。

3-2.給湯省エネ2024事業の必要書類(購入・工事タイプ/リース利用タイプの場合)

交付申請の予約に必要な書類

交付申請の手続き自体は給湯省エネ事業者が行なうため、以下の書類を揃えればOKです。

書類スキャン詳細な条件
給湯省エネ2024事業共同事業実施規約カラー・自署で署名したもの。※自署でないものは押印必須
・対象機器の導入による住宅の省エネ効果について、補助事業者からどのような情報提供を受けたかを具体的に記入すること
工事請負契約書カラー
本人確認書類白黒可住民票
・個票、世帯票いずれも可
・マイナンバーが記載されていないものを提出(記載がある場合、受付不可のため注意)
▼マイナンバーカード
・必ず表面のみ提出(裏面にはマイナンバー、QRが記載されているため、提出不可)
▼運転免許証
・運転経歴証明書でも可
・国際免許証は除く
▼パスポート
・日本国以外が発行するものでも可
▼在留カードまたは特別永住者証明書
・外国登録証明書は不可
▼健康保険被保険者証または後期高齢者医療被保険者証
・「保険者番号および被保険者等記号・番号等」および「QR」は必ずマスキングして提出すること(記載がある場合、提出不可のため注意)

予約の注意点

  • 手続き期間
    2024年3月中下旬~予算上限に達するまで(遅くとも2024年11月30日まで)
  • 交付申請の予約の実施は事業者と相談してください。(予算の執行状況によって予約が難しい場合があります)
  • 手続きの時期
    ・新築注文住宅:建築着工日
    ・既存住宅(リフォーム):契約工事全体の着手日
    ・リース利用タイプの場合:リース契約の締結日以降
  • 交付申請の予約の有効期間
    ・手続きから3ヶ月または2024年12月31日のいずれか早い日までとなります。
    ・予約が失効した場合も、申請期間内であれば改めて予約や交付申請が可能です。
  • 以下の場合予約は失効します
    ・予約の有効期間を超過した場合
    ・交付申請の予約が却下された場合
    ・予約済みの交付申請を提出した場合

3-3.交付申請に必要な書類

交付申請の手続き自体は給湯省エネ事業者が行なうため、以下の書類を揃えればOKです。

書類スキャン詳細な条件
給湯省エネ2024事業共同事業実施規約カラー必須
設置した給湯器の製品型番が確認できる書類(設置台数分)
工事請負契約書カラー
本人確認書類白黒可住民票
・個票、世帯票いずれも可
・マイナンバーが記載されていないものを提出(記載がある場合、受付不可のため注意)
▼マイナンバーカード
・必ず表面のみ提出(裏面にはマイナンバー、QRが記載されているため、提出不可)
▼運転免許証
・運転経歴証明書でも可
・国際免許証は除く
▼パスポート
・日本国以外が発行するものでも可
▼在留カードまたは特別永住者証明書
・外国登録証明書は不可
▼健康保険被保険者証または後期高齢者医療被保険者証
・「保険者番号および被保険者等記号・番号等」および「QR」は必ずマスキングして提出すること(記載がある場合、提出不可のため注意)

また、以下の書類も手続きに必要となりますが、これらは事業者側で用意してもらえるため、自分自身で用意する必要はありません。念のため知識として押さえておくと、事業者とのやり取りがスムーズでしょう。

・設置した給湯器の製品型番が確認できる書類
・撤去前の写真(撤去台数分)
・撤去後の写真 (撤去台数分)

交付申請の注意事項

  • 提出された交付申請に不備がある場合、当該交付申請を却下することがあります。
  • あるいは、期日を設定して確認・訂正を求め、当該期日までに不備の確認・訂正が行なわれない場合、当該交付申請を却下します。

詳細は以下公式サイトの情報をご確認ください。

4.まとめ

今年も引き続き注目度の高い「給湯省エネ2024事業」。補助金額が大きいだけに、この機会を逃すと後々後悔するかもしれません。去年チャンスを逃してしまった方も、今年こそは早めに要点を押さえ、補助を受けられるように対策していくことをおすすめします。
また、補助金制度を利用した場合、その後6年間は補助対象製品を処分(譲渡や交換、取り壊し・廃棄など)しないよう定められています。大切に扱いながら、省エネ効率の高い家づくりを目指していきましょう。

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