電気圧力鍋のメリット・デメリットは?上手な選び方のポイントも紹介

最近のキッチン家電の中で注目を集めているのが電気圧力鍋。その使い勝手の良さと時短調理の魅力に惹かれる人が増えています。しかし、一方で電気圧力鍋にはデメリットも存在します。

この記事では、電気圧力鍋のメリットとデメリットをご紹介し、失敗しない電気圧力鍋の上手な選び方を紹介します。

ぜひこの記事を参考に、自分に合った電気圧力鍋を導入してみましょう。

1. 電気圧力鍋について

電気圧力鍋のメリット・デメリットについて知る前に、まずは電気圧力鍋とはどのようなものか見ていきましょう。

1-1. 電気圧力鍋とは?

電気圧力鍋は、火やガスを使わずに手軽に圧力調理を行うことができる便利な家電です。

電源を接続するだけで作動し、常に見守る必要がないため、調理中でも自由な時間を確保できます。高温で素材を加熱するため、わずかな時間でしっかりと味が染み込んだ料理を作ることができます。そのため、煮込み料理などの手間のかかる料理も簡単に調理可能です。

さらに、電気圧力鍋は自動的に圧力を制御するため、誰でも簡単かつ安全に使用できます。

このように、電気圧力鍋は、忙しいけど手の込んだ料理を食べたい人や、料理が苦手な人にとって、おすすめの調理器具です。

1-2. 圧力鍋と電気圧力鍋の違い

圧力鍋電気圧力鍋の違いは、一体どのようなものなのでしょうか?
両方とも高圧にすることで調理温度を上げ、早く火を通すことができるため、時短や煮崩れ防止などのメリットがありますが、大きな違いは加熱方法と圧力の調整方式にあります。

圧力鍋は、ガス火やIHコンロを使用して加熱し、火加減によって圧力を調整します。一方、電気圧力鍋は電気制御によって圧力を自動で調整し、加熱は電気で行います。この違いにより、調理の手間や自由度、利便性に差が生まれます。

圧力鍋を使う場合、火加減の調整や加圧状態の確認が必要であり、常に鍋のそばにいなければなりません。一方、電気圧力鍋は自動調理が可能なため、スイッチを押すだけで料理が始まり、その後はほったらかしで料理が完成します。

また、電気圧力鍋は火を使わないため、安全性が高く、キッチンが暑くなることもありません。そのため、夏場でも料理を作ることが負担になりません。

2. 電気圧力鍋のデメリット

電気圧力鍋の購入を検討している方にとって気になるのが、電気圧力鍋のデメリット。
「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないように、あらかじめデメリットについて押さえておき、購入の際の参考にしましょう。

2-1. お手入れに手間がかかる

電気圧力鍋のデメリットは、主にお手入れの手間と面倒さにあります。

まず、調理後にはパーツを一つずつ外して洗う必要があります。内なべや内ふた、パッキンなどが細かく分かれており、外すだけでも手間がかかります。

さらに、多くの電気圧力鍋は食洗機に対応していないため、基本的に手洗いが必要です。そのため、調理器具やお皿洗いが苦手な人にとっては、大きなデメリットに繋がってしまうでしょう。パーツ数が少ない、もしくは取り外しやすい、お手入れの簡単な電気圧力鍋を選ぶのがおすすめです。

2-2. 意外と調理に時間がかかる

調理時間が意外と長くなってしまう点もデメリットとして挙げられます。

電気圧力鍋を使う場合、圧力をかけるまでには予熱時間が必要であり、圧力調理後の減圧、蒸らし時間にも時間がかかります。そのため、調理にかかる全体的な時間は意外にも多くかかり、ササっと作って食事を簡単に終えたいという人には向いていないと言えるでしょう。

さらに、電気圧力鍋や料理によっては、事前に炒めたり焼いたりする必要がある場合も。

結局フライパンや鍋を使用することになるため、料理の手間を省きたいという人にとっても大きなデメリットになってしまうでしょう。

2-3. キッチンのスペースをとる

通常の圧力鍋に比べて電気圧力鍋は本体サイズがやや大きめ。これに加えて、蒸気口からの排気のため、電気圧力鍋の上にも空間を確保する必要があります。そのため、キッチンや収納スペースの確保に悩むことも。

頻繁に使用する場合は、常に出しっぱなしにすることが望ましいですが、あまり使わない場合はキッチンスペースの収納に工夫が必要です。キッチンや収納スペースの測定を行ない、ピッタリ合うものを選ぶようにしましょう。無駄にキッチンのスペースを取らないためにも、世帯の人数に適した容量の電気圧力鍋を選ぶのも重要です。

しかし、逆に容量が少なすぎると、かえって料理の量が足りなくなる可能性もあるため、購入する際には気をつけてくださいね。

2-4. 本体価格が高い

4つめのデメリットは、電気圧力鍋の本体価格が高いこと。現在販売されている電気圧力鍋のほとんどは、約1万円以上の価格が相場とされています。

一方、通常の圧力鍋は5,000円以下で購入できることが一般的であるため、電気圧力鍋の価格をやや高く感じるかもしれません。一般的な電気圧力鍋の価格帯は、人数に応じた容量で異なります。例えば、1〜3人用の製品は1.5万円〜4万円台、4〜6人用の製品は4万円から6万円台が平均的な相場とされています。

電気圧力鍋の価格は、容量だけでなく、メーカーや付属機能、グレードによってもやや異なります。自分の求める機能と、本体価格のバランスをよくみて、自分にとってコストパフォーマンスのよい電気圧力鍋を購入するようにしましょう。

2-5. 作れるメニューが限られる

電気圧力鍋は自動調理機能を搭載していますが、もちろん全ての料理を自動化することはできません。自動調理機能が使えるのは、始めから内蔵されているレシピに限られ、その数もそこまで多くはありません

自動メニュー以外の場合、レシピブックを参照して調理時間を設定する必要があります。そのため、ほったらかしで自動的に調理ができるというメリットが薄れてしまうことも。

また、時間を設定する作業がやや面倒なため、とにかく調理の手間を省きたいという人にとってはストレスになってしまうかもしれません。

また、圧力がメーカーによって違うので、レシピブック以外のレシピを探すのも困難とされています。どんな料理でも自由に作ることのできる家電ではないため、留意しておくようにしましょう。

2-6. 調理におけるNGが多い

電気圧力鍋には、入れてはいけない食材や、調理の際に気をつけるべき点がいくつか存在します。

まず、機種によっても異なりますが、電気圧力鍋には入れてはいけない食材があります。一般的に、豆類・餅・練り物・カレーなどのルー・皮膜のある肉・大量の酒・油・麺類・炭酸飲料・重曹などは控えるべきとされています。

これらの食材を入れてしまうと、圧力を加えることで膨張・爆発したり、お湯が溢れてしまう可能性があり、思わぬ事故に繋がってしまうため、注意が必要です。調理上の安全を確保するためにも、製品の取扱説明書をしっかりと読み、指示に従って調理するようにしましょう。

また、生の食材を用いて予約調理を行う場合、食材が長時間放置されることで傷んでしまう可能性があります。そのため、電気圧力鍋の予約調理機能を利用する際には、メーカーや製品によって定められている注意点を事前に確認することが必要です。

3. 電気圧力鍋のメリット

もちろん電気圧力鍋には嬉しいメリットもたくさん!デメリットとメリットの両方を知った上で、電気圧力鍋を導入すべきか否か、自分にとって納得できる選択をしていきましょう。

3-1. ほったらかしで調理できる

電気圧力鍋のメリットはなんといっても、火力の調節が不要で、”ほったらかし調理”が可能であること。

普通の鍋や、コンロを使用する圧力鍋の場合、ふきこぼれや焦げ付きの心配があるためキッチンを離れることができません。しかし電気圧力鍋なら、手順どおりに材料をセットしてスイッチを押せば、あとはほったらかしでOK。途中で火加減を調節する必要もないので、調理中の時間を別の自由時間に充てることができます。

その間にもう一品作ってみたり、掃除をしたり、別の家事を片付けたり、趣味に没頭したり、子どもや家族との時間を楽しんでみたりと、自由な時間を過ごすことができます。

3-2. 調理中の音が静か

通常の圧力鍋は、加圧中に蒸気が勢いよく吹き出して大きな音が出てしまいますが、電気圧力鍋は蒸気が静かに逃げるため、加圧調理中もほとんど音がしません。

この静音性は、赤ちゃんがいるご家庭や、音の通りやすいオープンキッチンのご家庭にとっては大きなメリットとなります。音を気にしなくて済むだけではなく、火力の細かな調整にも気を取られなくて済むため、快適に調理ができますよ。

3-3. 料理のレパートリーが増える

電気圧力鍋を導入することで、料理の幅が広がるのも嬉しいポイント。

電気圧力鍋が得意としている煮込み料理だけでなく、蒸し料理や炊飯、デザートなど多彩な料理が作れます。これらの料理は通常手間がかかり、火加減の調整が必要なため、わざわざ作るのはやや億劫に感じるという人も多いのではないでしょうか?
しかし、電気圧力鍋なら材料を入れて自動調理のメニューを選びスイッチを押すだけで、面倒な工程を省きつつ、手の込んだ料理が作れます

また、電気圧力鍋には付属のレシピブックがついているため、料理が苦手な方や初心者でも手軽に美味しい料理が作れます。時間に余裕がなくても本格的な料理が楽しめる電気圧力鍋は、料理のレパートリーを増やしたい人にとって最適な家電です。

3-4. 食材のうま味を楽しめる

電気圧力鍋の圧力調理や無水調理機能を活用することで、野菜の皮や魚の骨などを余すことなく食べることができるため、通常の調理法よりもたっぷり栄養をとることができます。

また、電気圧力鍋では、野菜から出る水分で調理するため、水に溶け出た栄養分も無駄なく摂取できるとされ、これまで電気圧力鍋のメリット・デメリットを紹介してれています。野菜から驚くほどの水分が出るため、野菜のうま味が凝縮された美味しい煮込み料理を楽しむこともできますよ。

4. 電気圧力鍋の選び方

以上まで電気圧力鍋のメリット・デメリットをご紹介してきましたが、近年の電気圧力鍋は、上記で挙げたデメリットを感じさせないものも出てきています。

ここでは、電気圧力鍋の上手な選び方について紹介していますので、ご自身のニーズやご家庭の環境に合わせて、ピッタリ合うものを選んでいきましょう。

4-1. 容量

電気圧力鍋の選択において、重要な要素のひとつが容量。家族構成や調理のスタイルに応じて、適切な容量を選ぶことが大切です。

一般的な目安は、「人数+1(L)」とされています。つまり、2人暮らしであれば3L程度、4人家族なら5L程度の容量が適しています。ただし、週末に料理を作り置きして冷凍保存するなどの場合は、さらに大きな容量を選ぶことも検討すべきです。

しかし、容量が大きくなればなるほど、キッチンの設置スペースを多く取ることになります。キッチンや収納のサイズをあらかじめ測ってから、電気圧力鍋を選ぶようにしましょう。設置スペースの確保だけでなく、蒸気口をふさぐことがないか確認しておくことも重要です。

4-2. お手入れのしやすさ

電気圧力鍋のお手入れのしやすさも、使い勝手に大きく影響するポイントです。

電気圧力鍋は使用後にパーツを取り外して洗う必要があります。このとき、取り外しやすく、パーツ構成が少ないものを選ぶと、お手入れの負担が軽減されます。フタや蒸気口パーツなどが取り外せて洗えるものや、内ぶたがないタイプは、お手入れが容易なのでおすすめです。

さらに、一部のパーツが食洗機に対応している電気圧力鍋もあります。お手入れの手間が軽減されると、電気圧力鍋を使う頻度も増えるので、選ぶ際には考慮しておくようにしましょう。

4-3. 自動調理メニューの豊富さ

豊富な調理メニューが用意されている電気圧力鍋を選ぶことで、料理のレパートリーを増やすことができます。特に「自動調理」「予約調理」のメニューが豊富な電気圧力鍋は、料理作りにかかる手間を大幅に軽減します。

機種によっては、200を超えるレシピが登録されているものもあるため、レシピや調理メニューの数は必ずチェックしておくようにしましょう。

さらに、圧力調理以外にも「無水調理」「低温調理」「発酵」「炊飯」など多くの機能を搭載したモデルもあります。料理の幅を広げたい方には、こちらのタイプもおすすめです。

4-4. 加熱方式

電気圧力鍋の加熱方式には、「マイコン式」と「IH式」の2つがあります。

マイコン式はヒーターで鍋を加熱し、消費電力が低く本体価格も比較的安いのが特徴ですが、加熱ムラが生じやすいというデメリットがあります。

一方、IH式は電磁誘導で鍋全体を均等に加熱できるため、食材のムラなく調理できますが、消費電力が高く電気代がかかりやすい点や、本体価格が高い傾向があります。それぞれの加熱方式の特性を考慮して選ぶことが重要です。

4-5. 機能

電気圧力鍋の機能性は、料理の手間を省き、使い勝手を向上させる重要な要素です。電気圧力鍋に搭載されている機能にはいくつか種類があります。

例えば、「予約機能」があれば、朝出かける前にセットして帰宅する頃には料理が完成しているという便利な使い方ができます。特に、電気圧力鍋の中には食材をあらかじめ投入しておき、指定した時間に合わせて調理を開始する「予約調理機能」を搭載したモデルもあります。これにより、起床や帰宅する時間に合わせて料理を準備することが可能です。

さらに、調理が完了した後に自動で保温モードに切り替わる「保温機能」や、冷めてしまった料理を温める「再加熱機能」などがあります。

モデルによって搭載されている機能は異なるため、購入の際にはしっかりとチェックするようにしましょう。

5. まとめ

いかがでしたか?

この記事では、電気圧力鍋のメリット・デメリット、電気圧力鍋の上手な選び方を紹介しました。簡単に手の込んだ料理を作れるなど、電気圧力鍋にはメリットもたくさんありますが、留意しておくべき点もいくつかあります。

ぜひこの記事を参考に、自分のニーズに合った電気圧力鍋を取り入れてみてくださいね。

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