お風呂に入ったり、冬場の洗い物をしたりと、今や生活になくてはならない“あったかい湯”を作り出す給湯器。いざ選ぼうと思っても、どの給湯器が良いのか最初はわかりませんよね。そこで、この記事では、ガス、電気、エコキュートなどの給湯器の種類と平均価格に加えて、マンションから一軒家まで各住宅タイプに適した選び方、そしてコストを削減するヒントまでをご紹介します。ぜひ給湯器選びの参考にお役立てくださいね。
1. 給湯器の種類と値段相場
給湯器の種類はガス・電気・エコキュートの3つに分かれます。それぞれに特徴があり、給湯器の能力によって費用も変動するため、選ぶ前に以下でその違いを把握しましょう。
また、以下でご紹介するのは給湯器本体の価格となります。以下の本体価格に加えて工事費用が別途発生するため、4章でご紹介する給湯器新設の工事費用目安も併せて参考にしてくださいね。
1-1. ガスの特徴と値段
ガス給湯器は都市ガスやプロパンガスを使用した給湯器で、エネルギー効率の良さと即座に温水を供給できる即時性が特徴です。ガス給湯器には、「号数」と呼ばれる概念があり、その性能や出力を指し示しています。家庭で一般的に使われる給湯器の号数は、16号、20号、24号の三種類。ガス給湯器の号数が大きければ大きいほど、給湯器はより多くのお湯を同時に供給できるのです。
給湯器の号数の目安
1〜2人暮らしの場合では、同時に大量のお湯を使うことが少ないため、16号でも問題なく使える場合が多いでしょう。
2〜3人暮らしなど、キッチンやお風呂などで、同時にお湯を使う場面が出てくる場合には2か所でお湯を使える20号を選んだ方が良いでしょう。ただし、3か所以上でお湯を使う場合には、念のため24号を選んだ方が無難かもしれません。
さらに4人暮らし以上となると、給湯器の中で最もパワーがある24号がおすすめです。キッチンやお風呂、洗面所などで給湯とシャワーを同時に使ってもまだまだ余裕があるため、朝の身支度とキッチンでの炊事が被ったりする場合にも対応します。
以上を踏まえて、次にご紹介する価格を参照してみてくださいね。
低価格帯(約5万円〜)
・対象:小規模家庭や単身者向け
・特徴:基本機能に限定されたモデルで、エネルギー効率と即座に温水を提供できる点は保持しつつ、コストを抑えたい家庭に最適です。
高価格帯(20万円以上)
・対象:大家族や多くの温水を消費する家庭
・特徴:追い焚きや節水機能などの高機能を備え、大量の温水使用にも対応。温水の頻繁な使用や高度な機能を求める家庭に理想的です。
1-2. 電気の特徴と値段相場
次にご紹介するのは、本体内蔵の電気ヒーターで瞬間的にお湯を沸かすことができる電気給湯器。設置も容易で管理もしやすく、とくに小規模な使用環境や単身者に適しています。初期費用はガス給湯器やエコキュートに比べて安く、電気を熱源とするため運用コストは比較的高めです。
低価格帯(約3万円〜)
・対象:単身者や小規模な使用環境の家庭
・特徴:設置の容易さと管理のしやすさを兼ね備え、初期費用を抑えたい家庭に向いています。
高価格帯(15万円以上)
・対象:エネルギー効率を重視する家庭、中規模以上の家庭
・特徴:高機能・大容量モデルで、エネルギー効率の良さと節約を求める家庭に適しています。
1-3. エコキュートの特徴と値段相場
エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かす環境に優しい給湯器で、CO2排出量の削減と電力消費の低減により長期的な電気代節約が見込めます。エコキュートの出湯能力はガス給湯器でご紹介したような「給湯器」ではなく、代わりにお湯を溜めるタンク容量(リットル)と加熱能力(kW)で表されます。とくにタンク容量の方は、ガス給湯器の号数と対応しています。
エコキュートのタンク容量180リットル(1~2人)の給湯器は16号、370リットル(3~4人)は20号、460リットル(4~5人)は24号になります。
またエコキュートは、補助金制度の利用も可能な場合があり経済的と言えるでしょう。
低価格帯(約20万円〜)
・対象:環境意識が高く、長期的な電気代節約を目指す小〜中規模家庭
・特徴:入門モデルや小容量モデルで、CO2排出量の削減と電力消費の低減し、補助金の活用で初期投資を抑えたい家庭に向いてます。
高価格帯(40万円以上)
・対象:大家族や徹底したエネルギー管理を望む家庭
・特徴:高機能や大容量、エネルギー効率の高い最新技術を搭載したモデルです。環境保護とコスト削減を最大限に求める家庭に理想的です。
2. 住宅タイプに適した給湯器の選び方
住宅タイプによって最適な給湯器は異なります。マンションではスペースを、アパートではコストを、戸建てでは機能性と環境性を重視して選ぶことが重要です。各家庭のライフスタイルや予算に合わせた給湯器選びを心がけましょう。
2-1. マンションでの給湯器選び
向いている給湯器:電気、ガス
マンションにおける給湯器選択は、スペースの有効活用が鍵となります。
コンパクトな電気給湯器や壁掛け式ガス給湯器が人気です。とくに集合住宅では、設置可能な給湯器のタイプが制限される場合があるため、管理組合の規約を確認することが重要です。
2-2. アパートでの給湯器選び
向いている給湯器:ガス
アパート向け給湯器は、安さを重視する傾向にあります。
コストパフォーマンスに優れたガス給湯器が適しており、比較的安価で運用コストも低めのモデルが求められます。また、借りているアパートに既に設置されている給湯器の種類や、大家さんとの相談を通じて最適な選択をすることが望ましいです。
2-3. 戸建てでの給湯器選び
向いている給湯器:エコキュート
戸建て住宅では、オール電化を検討する家庭も多いです。
広いスペースを活かしてエコキュートのような高効率で環境に優しい給湯器を選ぶことが可能です。また、家族構成やライフスタイルに応じて適切なタンク容量を選ぶことが重要です。例えば、家族数が3人以下の場合は300Lのタンクで問題ありませんが、家族数が増えるとより大きなタンク容量が必要になります。
3. 給湯器新設の工事費用
給湯器を新たに設置する際は、上記までご紹介してきた給湯器の本体に合わせ、工事費用が加算されます。給湯器の交換は有資格者でないと許されていないため、DIYで設置することは違法になります。必ずプロに依頼するようにしましょう。
3-1. ガス給湯器新設の工事費用
給湯専用:6〜7.5万円
ガス給湯+追い焚き機能:10〜13万円
ガス給湯+追い焚き機能+暖房(エコジョーズ):15〜23万円
3-2. 電気給湯器新設の工事費用
給湯専用:6〜7.5万円
電気給湯+追い焚き機能:10〜13万円
お湯張り+保温+足し湯:15〜23万円
3-3. エコキュート新設の工事費用
基礎工事、配線工事、水道工事:10〜20万円
4. コスト削減のヒント
家庭を支える給湯器はやはりそれなりにお値段も張るもの。ここでは給湯器のタイプ別に初期費用と運用費用の二つに分けて、コスト削減のヒントをご紹介します。
4-1. ガス給湯器
初期費用削減:基本機能に限定された低価格帯のモデルを選ぶことで、必要十分な機能を備えつつコストを抑えられます。とくに、エコジョーズなどの高効率ガス給湯器は、燃焼効率が高く、ガス消費量を削減し、ガス料金を節約できるメリットがあります。
運用費用削減:ガス給湯器の光熱費節約方法として、お湯の使用量を見直す、設定温度を下げる、追い焚きの回数を減らすなどが挙げられます。
4-2. 電気給湯器
初期費用削減:設置の容易さと管理のしやすさを兼ね備えた低価格帯のモデルを選び、初期投資を抑えます。
運用費用削減:例えば、貯湯式電気温水器は、水を貯湯タンクに貯めて沸かすタイプで、お湯を時間を指定して沸かすことができるため、夜間の安い電気料金でお湯を沸かしておくことが可能です。これにより、電気料金の削減が見込めます。
4-3. エコキュート
初期費用削減:補助金制度の利用で初期投資を抑えることが可能です。また、必要十分な容量のモデルを選ぶことで、過剰な初期費用を避けられます。
運用費用削減:高いエネルギー効率を活かし、夜間の安価な電力を使用するなどして、長期的な電気代を削減できます。
5. まとめ
給湯器を選ぶ際は初期費用だけでなく、運用コストやメンテナンス費用も考慮に入れることが大切です。自宅のタイプや家族の使用量に合わせた給湯器を選び、補助金制度などを活用して賢くコストを削減しましょう。
もし給湯器選びに迷われた際には、ぜひ【おうちのアラート】までご相談くださいね。
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