給湯器の種類と選び方|住宅タイプ別にわかりやすく解説します!

洗顔や料理、入浴まで、私たちの日常生活になくてはならない給湯器。

生活を支えてくれる必需品だからこそ、新しい給湯器を選ぶときや交換するときは失敗したくありませんよね。この記事では、給湯器の取付や交換を考えている方に向けて、給湯器の選び方について徹底解説します。ぜひ住宅やライフスタイルに合わせて、最適な給湯器を選んでみてくださいね。

1.給湯器は現状と同じタイプを選ぶのが基本

新規で住宅を建てる場合を除き、通常は現在ご使用中のものと同じタイプへの交換が基本となります。また、設置状況についても変更することはあまりありません。これらは住宅タイプによって事情が異なり、戸建ての場合には比較的柔軟に変更できる一方で、マンションの場合にはタイプや号数などの制約があることがほとんとです。

2章以降でご自身がお使いの給湯器タイプの確認方法や特徴をご紹介しているので、ぜひご参考に読んでみてください。また、もし変更をご希望の場合でも、タイプや号数(給湯能力)、設置状況など変更可能な場合もあるので、専門家に相談してみると良いでしょう。
新築に取り付ける給湯器をお探しの方は、住宅の設計や予算によって選べる給湯器が変わってきます。本記事で、ご自分や家族のライフスタイルを想像しながら、希望の給湯器を絞り込んでみて下さいね。

2.給湯器の種類

「給湯器」には以下の3種類があります。ご自分の住宅に新規取付を考えている方は、ご自分のライフスタイルを想像しながら、どの給湯器が良いかを検討してみましょう。

2-1.シンプルな給湯機能のみの給湯器

給湯機能のみを備えた給湯器は、主にお風呂やキッチンの給湯に特化したシンプルな機能を提供します。これは、暖房機能が不要である場合や、既存の暖房設備がある場合に適しています。設置スペースを抑えたい方やランニングコストを最小限に抑えたい方におすすめです。

2-2.給湯・追い焚き機能なら「オート」「フルオート」タイプ

給湯機能に加えてお風呂の追い焚き機能を利用する場合、「オート」や「フルオート」タイプが選択肢になります。これらのタイプは、使用者のお湯の使い方を学習し、最適なタイミングで追い焚きを行います。オートタイプは手動での調整が可能で、フルオートタイプは完全に自動で運転されます。

2-3.給湯・追い焚き・ガス温水暖房機能なら「ガス温水暖房」タイプ

給湯機能に追い焚き機能と加えて、暖房機能も必要な場合、「ガス温水暖房」タイプが選択されます。このタイプの給湯器は、寒冷地域や冬季の暖房が必要な場所に適しています。給湯と暖房を一体化させ、効率的にエネルギーを利用することができます。

3.給湯器の選び方

ここからは給湯器の選び方についてご紹介していきます。実は取り付けられる給湯器は、住宅タイプによってあらかじめ制限されてしまっている場合も多くあります。ご自分の住宅タイプを参照しながら、選択可能かどうかをチェックしてみて下さいね。また、これからご自分の住宅へ新規取付を検討されている方は、それぞれの特徴からライフスタイルにマッチするものを選んでみてはいかがでしょうか。

3-1.設置タイプを確認する(戸建ての場合)

マンションに比べて自由度の高い戸建ての場合には、壁掛タイプから据置タイプへ変更するなど、比較的タイプの変更がしやすい特徴があります。以下でご自分の希望する給湯器タイプを確認してみましょう。

壁掛タイプ

壁掛タイプの給湯器は、壁に取り付けられるスリムなデザインが特徴です。これにより、床の面積を有効活用でき、設置場所を選ばずに済みます。主にキッチンやお風呂などの場所で利用され、シンプルで使いやすいのが魅力です。

特徴:
・コンパクトなデザインで、場所を選ばずに取り付け可能
・シンプルな操作で使いやすい

据置タイプ

据置タイプの給湯器は、床に置いて設置するタイプです。床置きなので、設置場所に制約が少なく、取り付けが比較的簡単です。主に専用のスペースが確保できる場所に設置され、給湯機能に特化したシンプルなタイプが多いです。

特徴:
・床に置いて使用するため、設置が比較的簡単
・給湯機能に特化したシンプルな設計

浴槽隣接タイプ

浴槽隣接タイプの給湯器は、お風呂の近くに設置されるタイプです。お風呂の隣に配置されるため、お風呂の追い焚き機能を効率的に利用できます。また、お湯がすぐに利用できるので、利便性が高いです。

特徴:
・お風呂の近くに設置され、お風呂の追い焚きが効率的
・お湯の供給が迅速で利便性が高い

3-2.設置タイプを確認する(マンションの場合)

マンションの場合には、戸建と異なり、設置条件が限られていることが一般的です。建物の構造やルールによって一定の制約があるためです。したがって、新しい給湯器を選ぶ際には、現在お使いの給湯器と同じ設置状況・種類にすることが基本的なアプローチとなります。これにより、設置がスムーズで追加工事が最小限に留まります。

壁掛タイプ(ベランダ設置)

壁掛タイプの給湯器をベランダに設置することで、室内のスペースを有効に利用できます。特にマンションのベランダに給湯器を取り付けることで、室内の美観を損なわずに、効率的にお湯を供給できます。

特徴:
・ベランダに設置することで室内スペースを確保できる
・美観を損なわずに給湯器が設置できる

PS標準設置タイプ

PS標準設置タイプは、マンションなどで一般的な設置形態です。特に専用のスペースが確保できる場合、このタイプの給湯器が最適です。使い勝手がよく、メンテナンスや管理がしやすいのが特徴です。

特徴:
・マンションの標準的な給湯器の設置形態
・使い勝手がよく、保守・管理がしやすい

PS扉内設置タイプ

PS扉内設置タイプは、給湯器を専用の扉内に収めて設置する形態です。扉によって覆われているため、設置場所の美観を重視しながらも、メンテナンスや管理がしやすいのが特徴です。

特徴:
・専用の扉内に給湯器を収納することで美観を維持できる
・保守・管理がしやすい

3-3.給湯器の号数を確認する

給湯器の号数を確認するには、給湯器本体や取扱説明書などを参照する必要があります。例えば、給湯器の外観やラベル、または製造メーカーの指定位置に、号数に関する情報が記載されています。以下に確認するべき場所と例を挙げてみます。

給湯器本体のラベルや表示部

ラベルやデジタル表示部に「号数」や「給湯能力」などの表記があることがあります。
例:「給湯能力:20号」といった表示が確認できます。

給湯器の側面や裏側

本体の側面や裏側にも号数に関する情報が刻印されていることがあります。
例:「20G」といった刻印が見つかるかもしれません。

取扱説明書

給湯器に付属する取扱説明書にも号数が記載されていることが一般的です。
例:「号数:20」といった記載が取扱説明書にあります。

以上を踏まえて購入や交換の際には、給湯器の号数を必ず確認しましょう。号数は、一度に供給できるお湯の量を表す重要な指標であり、家庭の利用ニーズに合った適切な号数の給湯器を選ぶことが重要です。

3-4.追い焚きできるかを確認する

給湯器には追い焚きできるものとできないものの二つがあります。以下で、それぞれの給湯器の基本機能をみてみましょう。

追い焚きできるタイプの基本機能

【ふろ給湯器】

・蛇口からお湯が出る
キッチン、洗面、浴室の蛇口から手軽にお湯を利用できます。

・リモコンのボタンで自動湯はりができる
専用のリモコンを使用し、ボタンひとつでお風呂の湯はりを自動で行うことができます。

・追い焚きができる
お風呂で使用した後に浴槽内のお湯を循環させ、温めなおす追い焚き機能が備わっています。これにより、お風呂の温度を一定に保ち、快適な入浴が可能です。

【給湯暖房熱源機】

・蛇口からお湯が出る
キッチン、洗面、浴室の蛇口から手軽にお湯を利用できます。

・リモコンのボタンで自動湯はりができる
専用のリモコンを使用し、ボタンひとつでお風呂の湯はりを自動で行うことができます。

・追い焚きができる
お風呂で使用した後に浴槽内のお湯を循環させ、温めなおす追い焚き機能が備わっています。これにより、お風呂の温度を一定に保ち、快適な入浴が可能です。

・床暖房や浴室乾燥機の温水暖房機能が使える
「ふろ給湯器」の機能に追加して暖房機能が備わっており、床暖房や浴室乾燥機などを利用できます。これにより、寒い季節でも室内の快適な温度を保つことができます。

追い焚きできないタイプの基本機能

【給湯専用タイプ】

・蛇口からお湯が出る
キッチンや洗面所、浴室などで手軽にお湯を利用できます。

・手動での湯はり
お風呂の湯はりに関しては手動で行う必要があります。蛇口の開け閉めによってお湯の供給を調節します。

・オートストップ機能付きの機種もある
一部の機種には、お湯はりが終わると自動的にお湯が停止するオートストップ機能が搭載されています。これにより、無駄なお湯の使用を防ぎ、省エネ効果が期待できます。

【高温水供給タイプ】

・蛇口からお湯が出る
キッチンや洗面所、浴室などで手軽にお湯を利用できます。

・温める際、熱いお湯を差し湯(たし湯)できる
お風呂の湯を温めなおす際に、約80℃前後の熱いお湯を差し湯することができます。これにより、お風呂の湯量が増え、ゆったりした入浴ができます。

3-5.オートかフルオートを選ぶ

追い焚き機能つきの給湯器には、オートタイプとフルオートタイプの二種類が存在します。どちらも自動でのお湯はり機能や追い焚き機能を備えていますが、若干の違いがあります。以下でその違いを確認してみましょう。

オートタイプ

・手動操作が必要な機能がある:
オートタイプでは、基本的な給湯機能は自動で行いますが、湯量や湯温の調整などは手動で行う必要があります。

フルオートタイプ

・全自動でお湯を供給:
フルオートタイプは、全自動でお湯を供給するため、手動での操作が少ないです。ボタン一つで、快適なお湯が瞬時に提供されます。

・使い勝手の良さ:
操作がシンプルで煩雑な設定がないため、誰でも簡単に利用できます。また、お湯が少なくなると自動で足し湯してくれる機能や、定期的に自動で配管内を掃除してくれる機能などがあります。

オートタイプからフルオートタイプへの変更は、利用者のニーズやライフスタイルに合わせて柔軟に行うことができます。もしご希望の際には、ぜひ専門家にご相談してみてください。

3-6.エコジョーズか非エコジョーズを選ぶ

給湯器には「エコジョーズ」と「非エコジョーズ」の二つが存在します。「エコジョーズ」はガスの排出が少ないエコな給湯器を、「非エコジョーズ」従来型の一般的な給湯器をそれぞれ指しています。以下でそれぞれの特徴を詳しく見てみましょう。

「エコジョーズ」の特徴

・高い省エネ性能:エネルギーを必要な分だけ効率的に使うため、節約・省エネに繋がります。

・環境にやさしい:窒素酸化物(NOx)の排出を減らして、環境に優しい暮らしができます。

・お湯の使い方を効率化:お湯の使い方を感知して、必要な時だけ燃焼してくれるため、無駄を省くことができます。

「非エコジョーズ」の特徴

・普通の省エネ性能:エコジョーズよりは少し効率が低くなるものの、普通の生活には十分なエネルギーを使えます。

・手ごろな価格:エコジョーズより初期費用が安く抑えられます。

最新機能も搭載した「エコジョーズ」は初期費用が高くなる傾向があるものの、消費ガスの量が少ないため、使えば使うほどコストパフォーマンスがよくなる特徴が挙げられます。ご家族の人数が多い家庭や、毎日湯はりを行う方には、「エコジョーズ」がおすすめです。

4.ポイントを押さえて自分の住宅に適した給湯器を選ぼう

いかがでしたか?
この記事では、給湯器の特徴と選び方をご紹介しました。今お住まいの住宅で給湯器を新しく交換する際にも、はたまた新築住宅への新規取付をご検討の際にも、給湯器ごとの特徴を知って最適なものを選べたら良いですよね。
もしお悩みの際には、ぜひ一度プロにご相談してみることをおすすめします。

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