日頃あまり意識しないけれど、実は生活の中で欠かせない存在となっている「給湯器」。大事な要素だからこそ、購入にあたって、給湯器選びに迷っている方もいるのではないでしょうか?そこで本記事では、人気の高いオート給湯器とフルオート給湯器に焦点を当て、それぞれの違いや機能について詳しく解説します。また、適切な給湯器を選ぶ際のポイントや費用の考慮事項、おすすめメーカーについても紹介。この先長く使うものだからこそ、さまざまな観点からご自分に合うタイプをご検討ください。
1.給湯器の種類と特徴
1-1.給湯器は「オート」「フルオート」の2タイプ
給湯器は主に「オート」と「フルオート」の2つのタイプに分かれます。お湯張り・保温(温め直し)・足し湯といった基本的な機能は同じですが、両者の違いを挙げるならば、一部手動の操作が含まれるのが「オート」、全自動で行うのが「フルオート」です。どちらを選ぶかは、生活習慣や個方の好みによります。それぞれの特徴を理解し、自分のライフスタイルに合ったものを選びましょう。以下にオート給湯器とフルオート給湯器それぞれの特徴を挙げます。
1-2.オート・フルオート共通の基本機能
以下は2タイプの給湯器に共通する基本機能です。メーカーや製品によって多少の違いはありますが、一般的にどちらも以下のような機能を備えています。
湯はり機能
あらかじめ設定した温度にお湯を自動的に温めておく機能です。朝や帰宅時などでも、即座に温かいお湯を利用できます。
追い焚き機能
給湯器が自動的にお湯を追い焚きしてくれる機能です。これにより、給湯器内のお湯が不足することなく、長時間の利用や大量のお湯を必要とする場面でも安心して利用できます。
温度自動調節
オート給湯器は、お湯の使用状況に応じて自動的に湯温を調整する機能を備えています。例えば、お風呂に入る際には湯温を上げ、洗い物などでお湯を使用する際には湯温を下げるなど、使いやすさを追求した機能です。
省エネ機能
給湯器内でお湯を無駄なく温める省エネ機能が搭載されています。お湯の使用がないと自動的に給湯を停止するなど、エネルギーの無駄を最小限に抑えてくれるため、経済的かつ環境に優しいのが特徴です。
タイマー機能
一部のオート給湯器にはタイマー機能があり、お湯の使用を特定の時間に予約できます。これにより、朝の身支度やお風呂の時間をあらかじめ設定でき、忙しい生活をサポートしてくれます。
1-3.フルオートのみ搭載の機能
フルオート給湯器は、オート給湯器と比較して、さらに高度な自動化がなされており、以下のような特有の機能が備わっています。
自動追い焚き機能
お湯の使用状況を学習し、自動的に最適なタイミングでお湯を追い焚きします。これにより、常に快適な湯温を維持し、手動での調整が不要となります。
長時間保温機能
フルオート給湯器には、一定温度を保ちながら給湯を継続する長時間保温機能があります。これにより、お風呂や洗い場などで長時間にわたってお湯を利用する際に、安定した湯温を提供します。
使用パターンの学習機能
利用者のお湯の使用パターンを学習し、最適な給湯プランを自動的に提案します。例えば“入浴時間は夜9時”などと生活リズムが決まっている場合には、夜9時に合わせて給湯の準備をしてくれるといった具合です。家族構成が変わったり、季節によって使用湯量が変わったりする場合にも、利用者に合わせた最適な設定が行われるため、常に快適でエネルギー効率の良い給湯が期待できます。
時間帯別設定機能
特定の時間帯において湯温や給湯量を異なる設定にすることができる機能です。例えば、身支度にお湯を使うことの多い朝には充分な給湯を行い、お湯の使うことの少ない深夜帯には湯温を下げ、給湯量を最小限に設定して、エネルギーの節約を行うなどです。
リモート操作対応
一部のフルオート給湯器は、スマートフォンやタブレットを用いたリモート操作に対応しています。外出先から給湯器を制御し、予熱や設定の変更を遠隔で行うことができます。
配管自動洗浄
給湯器の内部に付着したスケールや汚れを自動で定期的に除去し、効率的な運転を維持する機能があります。配管掃自動洗浄により、給湯器の性能が安定し、トラブルの発生を抑えることが期待されます。
2.自分に適した給湯器タイプは?
オート給湯器・フルオート給湯器それぞれの搭載機能を知ったところで、「果たして自分に合う給湯器はどちらだろう?」とお悩みではありませんか?以下では、オート給湯器・フルオート給湯器、それぞれおすすめの方の特徴を端的にリストアップしました。ご家庭やご自分の状況と合わせて検討してみてください。
2-1.オート給湯器がおすすめの方
費用を抑えたい方
オート給湯器はフルオートよりも機能が限られているため、初期費用とランニングコストを抑えることができます。もしフルオート機能のサポートと節約を比べてみて、節約の方が重要度が高い場合にはオート給湯器の方が良いでしょう。
お湯張りと追い焚きだけで充分な方
オート給湯器の場合、手動でスイッチを押せばあとはお湯張りも追い焚きも行ってくれるので、そうした機能で充分という方はオート給湯器で事足りるでしょう。また、一人暮らしの方で、一日に何度も入浴する場合を除いては、フルオート給湯器の長時間保温機能が無駄になってしまう可能性もあります。
自動足し湯にメリットを感じない方
お湯の使用量が安定した一人暮らしの方や入浴回数の少ない方などは、自動で足し湯する必要があまり感じられないかもしれません。オート給湯器の場合、足し湯するためには手動操作が必要ですが、スイッチ一つで簡単に操作できるため、ご自分の都合に合わせて入浴する場合にはむしろ好都合でしょう。
2-2.フルオート給湯器がおすすめの方
入浴タイムを重視している方
フルオート給湯器は入浴時の機能が充実しており、湯温や追い焚きなど、細かな設定が可能です。入浴タイムを重視している方、入浴を快適で豪華なものにしたい方に適しています。
長時間の入浴を楽しむ方
長時間保温機能があるため、入浴後もお湯を保温し続け、リラックスした時間を長く楽しむことができます。半身浴や交代浴をする方、長湯を楽しむ習慣のある方などに最適です。
家族構成や生活スタイルが変化する方
使用パターンの学習機能を備えたフルオート給湯器は柔軟な設定が可能なため、家族構成や生活スタイルの変化に対応できます。将来的な変化を見越して給湯器を選びたい方におすすめです。
自動で最適なプランを提案してほしい方
フルオート給湯器は、使用パターンや使用時間帯を自動的に計算し、最適な給湯プランを提案する機能を備えています。「スイッチを押す手間も惜しい」、「帰宅したら即座に入浴したい」という方にはまさにぴったりの機能と言えそうです。
高度な技術や機能でQOLをあげたい方
以上まで挙げたように、フルオート給湯器は高度な技術や機能を備えています。新しいテクノロジーに興味があり、それによってQOL(生活の質)を向上させたい方にはおすすめです。
3.オートとフルオートの価格と費用相場
機能やタイプ別のおすすめを知ったところで、今度はオート・フルオートそれぞれの給湯器の費用をチェックしていきます。給湯器本体の価格とガス代を併せて検討し、より経済的になる方を選択しましょう。
3-1.オートとフルオートの給湯器価格
給湯器の価格は、タイプやブランド、機能などによって大きく異なりますが、一般的にオート給湯器は約10万円〜30万円程度、フルオート給湯器は約20万円〜50万円以上の価格帯となっています。ただし、市場の変動や販売店舗のキャンペーンの実施有無によっても価格は変動します。購入を検討している方は、日頃から販売店やインターネットで販売価格をチェックしておくと、ベストプライスで購入できる可能性が高まるでしょう。
3-2.オートとフルオートのガス代比較
給湯器の運転には当然ガス代が発生しますが、オート給湯器とフルオート給湯器ではその消費量に差があります。
オート給湯器は手動での調整が一般的で、使用者の操作によってガスの使用量が変動します。また、フルオート給湯器は使用者の需要に合わせて最適なプランでお湯を沸かすため、エネルギーが効率的に使用できる反面、保温機能や足し湯機能などによってかえって費用が嵩んでしまうことも。フルオート給湯器を使う場合には、普段使わない機能を意識的にオフにする意識も大切です。
以上のことから、初期費用面では本体価格が比較的安く、機能もシンプルなオート給湯器の方が抑えられるでしょう。しかし長期的な費用面では、効率性の高いフルオート給湯器を上手に使うことで、ガス代を節約できる可能性もあります。ご自分の性格やライフスタイルから、最適案を検討しましょう。
4.給湯器の代表的メーカー
それでは最後に、給湯器の代表的メーカーを見ていきましょう。それぞれに特徴や強みがあるので、お好みのメーカーを見つけてみてくださいね。
4-1.Rinnai(リンナイ)
リンナイは長年にわたり、給湯器市場でその地位を確立しているメーカーです。なんといっても、高い耐久性と安定した性能が特徴。微細な気泡「マイクロバブル」、「ウルトラファインバブル」によって、肌のうるおいを持続させたり、水回りの汚れをつきにくくするなどの効果があるとされています(公式HPより引用)。また、国内生産を一貫している点も、国内メーカーを好む方にとっては魅力的でしょう。価格帯は中程度から高めであり、高品質な製品を求めるユーザーに人気です。
4-2.Paloma(パロマ)
パロマは日本国内外で幅広い給湯器を提供するメーカーです。とくに、スタイリッシュなデザインや省エネ性能が高く評価されています。オートとフルオートの両方のご用意があり、無線LAN対応リモコン「Felimo」と専用アプリ「あったかホッと給湯」を併用することでスマホからでも簡単に給湯準備ができます(公式HPより引用)。価格帯は中程度からややリーズナブルな範囲に位置しており、手頃な価格で高い性能を求めるユーザーに適しています。
4-3.NORITZ(ノーリツ)
ノーリツは日本国内で高いシェアを持つ給湯器メーカーで、その信頼性と革新的な技術が注目されています。とくに独自技術である「UV除菌機能」はUV除菌ユニットを通過するお湯に紫外線を当てることで99.9%除菌ができるという優れもの。これにより、清潔な入浴や、残り湯洗濯時のニオイ解消が叶います。価格帯は中から高めであり、高い品質を求めるユーザーに適しています。
5.まとめ
いかがでしたか?
以上までオート給湯器とフルオート給湯器の違いをご紹介してきました。あなたのライフスタイルに合っていたのは、シンプルな機能で無駄のないオート給湯器でしょうか、それともオート給湯器の機能に加えてさらに高度な機能を持ったフルキュート給湯器でしょうか?メーカーの公式HPからそれぞれの特徴をご自分の目で感じてみるのも良いかもしれません。
長く付き合うものだからこそ、ぜひ納得のいく給湯器を選んでくださいね!