給湯器の「号数」って?16号・20号・24号の違いや選び方・交換する時のポイントまで詳細解説

新しく住宅を購入したときや今お使いの給湯器が古くなってきたときなど、給湯器の購入や交換を考え始めますよね。そこで給湯器について少し調べると、必ず出てくるのが「号数」。“スペックが違うのはわかるけれど、一体何がどう違うのか?”そのように疑問に感じている方も多いはず。そこで本記事では、給湯器の号数の定義と選び方、号数を変更して交換する際の注意点や、おすすめの給湯器メーカーについて詳しく解説いたします。

1.給湯器の「号数」とはどういう意味?

給湯器の「号数」とは、その性能や出力を示す重要な指標です。具体的には、ガス給湯器の号数が大きければ大きいほど、給湯器はより多くのお湯を供給できるということを意味します。より具体的に説明すると「1分間に水温+25℃のお湯が出る量(L)」を号数と呼びます。

つまり、1分間に24L出ると「24号」となるのです。これは都市ガス・プロパンガス共通の指標です。号数が大きいほど、給湯器のパワーは高く、お湯を同時に使える量が多くなってくるため、家庭の大きさや使用頻度に応じて適切な号数を選ぶことが大切です。

2.新しく購入するときの「号数」の選び方

それでは給湯器を購入するとき、号数はどのように決定すれば良いのでしょうか。ポイントはお湯の使用量やその判断基準となる世帯人数です。以下で詳しく見ていきましょう。

2-1.基準は「冬場に必要なお湯の量」

新しく給湯器を選ぶときポイントになるのは、「冬場に必要なお湯の量」です。前章で、号数とは「1分間に水温+25℃のお湯が出る量(L)」であるとお伝えしましたが、冬場は他の季節に比較して出湯量が少なくなるため、34号サイズを選んだとしても34Lそのままお湯として使えるわけではありません。

給湯量は以下の計算式で算出できます。例えば34号の給湯器を使い、水温が3度の冬場に44度のお湯を出したい場合には20.7Lとなります。

【水温が3度の冬場に44度のお湯を出したい場合(給湯器24号)】
(24号数 × 25 ℃) ÷ (44 ℃のお湯 - 水温 3 ℃) = 15 L(毎分)

冬場に給湯量が落ちる原理としては、水温の低下と流量の増加の2点です。冬場は外気温が低くなるため、給湯器が取り込む水の温度も低くなります。給湯器は水を加熱してお湯を供給するため、取り込む水の初期温度が低いと、その分だけ加熱に時間がかかり、出湯されるお湯の温度が下がるのです。

また、冬場は温水を使用することが増えるため、給湯器に求められる出湯量が増加します。シャワーやお風呂などでの使用が増え、一度に必要なお湯の量が増えると、給湯器が追いつかなくなります。給湯器は一定の流量しか処理できないため、増えた流量に対応するためには温水の供給が一時的に低下することもあります。

以上の理由から、給湯器の号数を選ぶ際には、冬場に使うお湯の量を目安に置いた方が良いのです。

2-2.世帯人数別の号数目安

それでは世帯人数に適した給湯器の号数を見ていきましょう。

1〜2人暮らしの場合

同時に大量のお湯を使うことが少ないため、16号でも問題なく使える場合が多いでしょう。

2〜3人暮らしの場合

キッチンやお風呂など、同時にお湯を使う場面が出てくる場合には2か所でお湯を使える20号を選んだ方が良いでしょう。ただし、3か所以上でお湯を使う場合には、念の為24号を選んだ方が無難かもしれません。

4人暮らし以上の場合

給湯器の中で最もパワーがある24号がおすすめです。キッチンやお風呂、洗面所などで給湯とシャワーを同時に使ってもまだまだ余裕があるため、朝の身支度とキッチンでの炊事が被ったりする場合にも対応します。

冬季の寒冷な日々に備え、給湯器の号数を選ぶ際には「必要なお湯の量」を的確に見極めることが肝心です。家族構成が増えると共にお湯の使用量も増えるため、その都度適した号数を選ぶことが大切です。

3.号数を変更するときの注意点

基本的に、給湯器の交換の場合には現行のものと同じ号数を選ぶことが一般的です。同じ号数であれば、取り替えもスムーズで低コストで行うことができます。しかし、中には「号数を変更したい」という方もいるでしょう。そんなときの注意点を以下にまとめました。

3-1.管理規約や設置場所の確認が必要

給湯器の号数の変更は不可能ではありません。ただし、号数の変更を希望する場合、注意すべき点が多岐にわたります。

マンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの場合、管理規約により号数が定められていることがあるため、号数アップをご希望の方はオーナーや管理会社に号数の変更ができるかをまず確認する必要があります。

また条件面をクリアしても、物理的に設置スペースが確保できないことには給湯器の変更は不可能です。併せて必ず確認するようにしましょう。

3-2.ガスメーターの号数アップが必要な場合も

さらに給湯器に使われるガスも、容量をアップする必要があります。ガスメーターも給湯器と同じように号数があり、それぞれ以下のように対応しています。

2.5号メーター:10号までの給湯器
4号メーター:20号までの給湯器
6号メーター:24号までの給湯器
8号メーター:32号までの給湯器

ガスメーターが対応できる容量の範囲内であれば、給湯器の号数変更のみで済みますが、例えば4号メーターをお使いで、16号の給湯器から24号のものへの号数アップを希望している場合には併せてガスメーターも交換する必要があります。
ガスメーターを交換するには、ご契約中のガス会社へ依頼すれば無料で交換してもらえます。また、プロパンガスの場合にはプロパンガス会社へ連絡することで対応してもらえます。

3-3.配管径や水圧にも注意

条件面をクリアしても、既存の配管径や水圧によっては、号数アップをしても効果が充分に感じられない可能性があります。既存の配管径が小さい場合には水量が制限されている状態にあるため、あまり使い心地に変化を感じられないでしょう。また水圧も同様で、ご自宅の水道の水圧がもともと弱い場合には、実感を得難いと言えます。

以上にお伝えしたポイントをクリアにした上で、号数の変更へと移りましょう。

3-4.号数は給湯器本体で確認できる

号数の変更の前に、どこで現行の給湯器の号数を確認できるのでしょうか?それは、給湯器本体の銘板シールに記載されています。銘板シールは通常、給湯器の前面もしくは側面に貼られています。この銘板にはアルファベットと数字の入った型番・型式が記載されており、その型番の最初の2桁の数字が給湯器の号数となります。例えば、最初の2桁が24であれば、給湯器は24号となります。

4.おすすめの給湯器メーカー

それでは最後に、給湯器の代表的メーカーを見ていきましょう。それぞれに特徴や強みがあるので、お好みのメーカーを見つけてみてくださいね。

4-1.リンナイ

長年にわたり、給湯器市場でその地位を確立しているメーカーです。高い耐久性と安定した性能が支持される理由。とくにリンナイの給湯器が生み出す湯の中の微細な気泡「マイクロバブル」、「ウルトラファインバブル」は、肌のうるおいを持続させたり、水回りの汚れをつきにくくするなどの効果があるとされています(公式HPより引用)。また、国内生産を一貫している点も、国内メーカーを好む方にとっては魅力的です。中程度から高めの価格帯で、高品質な製品を求めるユーザーに人気です。

4-2.パロマ

スタイリッシュなデザインや省エネ性能から、日本国内外で幅広い給湯器を提供するメーカーです。オート給湯器とフルオート給湯器の両方があり、無線LAN対応リモコン「Felimo」と専用アプリ「あったかホッと給湯」を併用することでスマホからでも簡単に給湯準備ができます(公式HPより引用)。中程度からややリーズナブルな価格ながら、高い性能を求めるユーザーに適しています。

4-3.ノーリツ

日本国内で高いシェアを持つ給湯器メーカーで、その信頼性と革新的な技術が注目されています。とくに独自技術である「UV除菌機能」は、UV除菌ユニットを通過するお湯に紫外線を当てることで99.9%除菌ができるという優れもの。これにより、清潔な入浴や、残り湯洗濯時のニオイ解消が叶います。価格帯は中から高めであり、高い品質を求めるユーザーに適しています。

5.まとめ

本記事では、給湯器の号数の違いについて詳しくご紹介しました。給湯器の号数の違いによって、使用できるお湯の量が決まってきます。とくに冬場、冷たい水の利用を避けたい方や入浴時間を大切にしたい方などは、給湯量を多めに見積もっておくことも大切です。ご自分やご家族のライフスタイルを踏まえながら、無理のない号数の給湯器を選びましょう。

迷った際には、ぜひ【おうちのアラート】までご相談くださいね。

24時間受付・365日対応