
住宅によって設備されていたりされていなかったりする、浴室乾燥機。なんとなく“洗濯物を乾かすためのもの”というイメージが強い設備ですが、それ以外にもメリットはあるのでしょうか?
本記事では浴室乾燥機の概念を紹介したうえで、メリットやデメリット、さらには賢い使用方法についてもご紹介していきます。
1. 浴室乾燥機とは

浴室乾燥機は、浴室の天井に取り付けられている設備で、主に乾燥・暖房・換気・涼風の4つの機能があります。
乾燥機能を使えば、荒天時や夜間、外に干したくない環境でも洗濯物を乾かすことができます。暖房機能を使えば冬の入浴時に浴室を暖かくし、ヒートショックを防ぐ効果も。また、換気を行う機能もついているため、浴室のカビの発生を抑えやすいことも特徴です。
さらに、浴室のじめっとした空気が気になる場合には、涼風機能で浴室内の湿気を逃すこともできます。
2. 浴室乾燥機のメリット

では具体的に、浴室乾燥機にはどういった特徴があるのでしょうか?
以下で浴室乾燥機のメリットをご紹介していきましょう。ご自身のライフスタイルや家族形態と照らし合わせながら読んでみてくださいね。
2-1. 時間帯や天気、人の目を気にせず洗濯物を干すことができる
浴室乾燥機を使うメリットはなんといっても、時間や天候を気にせずに洗濯物を干せることです。雨の日や夜間、花粉が多い季節などでも、洗濯物を部屋に干す必要がなくなります。
洗濯物にまつわる制約が軽減されるため、家事に充てる時間が少ない方や、外干しが難しい環境に住んでいる方にはとっても便利。また、周囲の視線を気にすることなく洗濯物を乾かせるため、プライバシーの面でも安心です。
2-2. 生乾き臭を抑えられる
生乾き臭は、洗濯物が十分に乾かないことで発生する不快な臭いですが、浴室乾燥機を使うことで部屋干し時よりも生乾き臭を抑えることができます。浴室乾燥機の高温の風で洗濯物をしっかり乾かすため、生乾きの原因となる細菌の繁殖を抑えてくれるためです。
とくに厚手のタオルやデニムといった部屋干しでは時間がかかるアイテムも、浴室乾燥機を使えば効率的に乾かすことができます。
2-3. 洗濯物がシワになりにくい
部屋干しではなかなか取れないシワも、浴室乾燥機を使用することで改善できる可能性があります。浴室乾燥機から出る適度な風を洗濯物全体に当てることで、布地が自然に伸びるからです。とくにシャツやブラウスといったアイロンがけが必要な衣類が多い方にとっては、家事の手間をグッと減らすことができそうです。
2-4. 浴室のカビが発生しづらい
浴室乾燥機をうまく使えば、浴室内のカビ発生を抑える効果も期待できます。湿気がこもりやすい浴室は本来カビの温床になりやすい場所。換気しただけではカビの発生は防ぎきれませんが、乾燥機能と併用することで浴室を効率的に乾燥させることができます。とくに梅雨の時期や冬場の結露対策にも重宝するでしょう。
一度カビが発生してしまうと掃除の負担が増えるうえに健康にも害を及ぼしかねないため、とくにカビの発生が気になる季節には、浴室乾燥機の利用がおすすめです。
2-5. 冬場や夏場の入浴の負担になりにくい
「お風呂が面倒…」と思う方のなかには、無意識に体への負担を気にしている方もいるのではないでしょうか?冬場や夏場の極端な気温下でも、浴室乾燥機を使えば快適に入浴できますよ。
冬場は暖房機能で浴室を温めれば、ヒートショックを防ぎやすくなります。ちなみにヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が急上昇し、健康に悪影響を及ぼす事象のこと。浴室を事前に温めておくことで室内との寒暖差がなくなるため、身体に負担をかけづらくなります。また、夏場は涼風機能を活用すれば蒸し暑さを取り除き、快適に入浴できます。
3. 浴室乾燥機のデメリット
もちろん、浴室乾燥機はメリットだけではありません。使用するとなればいくつかの制約が生まれます。導入前には必ず以下のデメリットも併せて確認し、検討してみましょう。
3-1. 電気代がかかる

まず、浴室乾燥機の使用には電気代がかかります。一般的に浴室乾燥機にかかる電気代目安は、1時間あたり約40円と言われています。そのため入浴や洗濯物などで乾燥機能や暖房機能を頻繁に使うと、電気代が高くなる可能性があります。とくに冬場は暖房機能を長時間使用することが多く、電気代の負担が増えることが考えられます。
ただし、最新のモデルではエネルギー効率が向上しており、以前に比べて電気代が抑えられる製品も多くあります。また、使用頻度や時間を工夫すれば電気代の節約も不可能ではありません。プロの業者に相談しながら、ご自分の家庭に合う浴室乾燥機を選んでみましょう。
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3-2. 使用中は入浴ができない
基本的に浴室乾燥機を使用している間は入浴ができません。とくに乾燥モードや暖房モードでは浴室内の温度や湿度が大きく変化するため、入浴には適さない環境になります。そのためご家族が多い家庭や、入浴時間と洗濯時間が重なることの多いライフスタイルでは不便に感じられることもあるでしょう。
その場合には夜間や早朝に乾燥機能を使用するなど、使用時間を工夫する必要が出てきます。
3-3. フィルターを掃除する必要がある
浴室乾燥機は定期的なメンテナンスが必要です。とくにフィルター掃除を怠ると、ホコリやゴミが溜まり性能が低下するため、結果として電気代が増加してしまうことにも繋がります。また、乾燥効率も低下します。掃除の頻度は使用頻度にもよりますが、一般的には月に一度程度の清掃が推奨されています。掃除自体は難しくなく、説明書に従って簡単に行なうことができますが、ルーティンに組み込むのは面倒と感じる方もいるでしょう。
4. 浴室乾燥機の使用が向いている人

メリットとデメリット両方を見比べたところで、「いったい自分には向いているの?」と気になる方もいるのではないでしょうか?
以下では浴室乾燥機の使用をおすすめする人を4パターンに分けて紹介します。2つ以上当てはまっていたら、導入を検討してみることをおすすめします。
4-1. 洗濯物を外に干したくない人
花粉や黄砂、天候、犯罪リスク…etc. 洗濯物を外に干したくない状況にある方は多いのではないでしょうか?そんな方に天候や近隣の目を気にせずに洗濯物を干せる浴室乾燥機はおすすめです。また、夜間に洗濯物を干すこともでき、時間を有効に使うことができます。
4-2. 洗濯物のしわ・ニオイが気になる人
高温の風でしっかりと洗濯物を乾燥させてくれる浴室乾燥機は、洗濯物のシワや生乾き臭を防ぎたい人にもぴったりです。また、乾燥中に適度な風が当たることで、衣類がシワになりにくく、アイロンがけの手間も減らすことができます。
4-3. 浴室のカビに悩んでいる人
浴室内のカビ掃除が憂鬱な方、カビの健康被害が気になる方にも浴室乾燥機がおすすめです。換気機能を活用することで、浴室内の湿気を取り除き、カビの発生を抑えることができるからです。カビの繁殖を防ぐことで清潔な環境を保ちやすくなり、浴室の掃除にかかる手間が軽減できます。とくに湿気の多い梅雨時期や冬場の結露対策に有効です。
4-4. 浴室の冷えや蒸し暑さが気になる人
快適な入浴時間を過ごしたいと考える方にも、暖房機能や涼風機能がついている浴室乾燥機はおすすめです。冬場は暖房機能で浴室を暖かくし、夏場は涼風機能で蒸し暑さを和らげれば、季節に関係なく安定して快適な浴室環境を作り出せます。
リラックスしながら長風呂したい方、ヒートショックの心配があるご家族がいる方などなど、心身の健康を気にされる方にはぴったりです。
5. 浴室乾燥機を賢く使うための方法

いろんな機能をもつ浴室乾燥機ですが、それらを効率的に使用するための方法はご存知ですか?以下では、浴室乾燥機を賢く使うための方法をご紹介します。
5-1. 換気・乾燥モードを使い分ける
浴室乾燥機を賢く使うためには、換気モードと乾燥モードを適切に使い分けることが大切です。例えば、入浴後はまず換気モードを使用して浴室内の湿気を取り除き、その後に乾燥モードに切り替えることで、効率的に室内を乾かすことができます。また、天気の良い日は換気モードを中心に使い、雨の日や急いでいるときは乾燥モードを積極的に活用するなど、状況によっての切り替えもおすすめです。
5-2. 定期的にフィルタの掃除を行なう
浴室乾燥機の性能を維持するためには、定期的なフィルター掃除が欠かせません。フィルターにホコリやゴミがたまると、風の通りが悪くなり、乾燥効率が低下するためです。そうならないためにも、月に一度を目安にフィルターを取り外して掃除を行ない、必要に応じて新しいフィルターに交換するなどメンテナンスを心がけましょう。
フィルターの掃除自体は簡単で、説明書に従って行なえば誰でも手軽にできます。この手間を惜しまずに行なうことで、電気代の節約にもつながります。
5-3. 浴室乾燥機の特色を生かした洗濯を行う
浴室乾燥機の効果を最大限に引き出すためには、洗濯物の干し方にも工夫が必要です。乾きやすい送風口の近くに厚手の衣類や大物をかけることで、効率的に乾かすことができます。また、洗濯物を重ならないように干し、空気の流れを確保することも重要。浴室内の限られたスペースを有効活用するために、小分けにして干すなどの工夫を凝らしましょう。
6. 【Q&A】浴室乾燥機に関するよくある質問

メリット・デメリット、賢い使い方などをご紹介してきましたが、以下ではそれらで取り漏れた浴室乾燥機に関するよくある質問をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
Q1. 浴室乾燥機は後付けできる?
A. 特殊な例を除いて、浴室乾燥機は後付けできます。設置にはいくつかの手順が必要ですが、まず設置場所の選定が重要となります。多くの場合、既存の換気扇を浴室乾燥機に交換する形で取り付けることとなるでしょう。また、電源の確保と配線も必要になってきます。
逆に浴室乾燥機が後付けできない例として、そもそも換気扇がついていない浴室、設置のために40センチ角以上のスペースが確保できない浴室、換気扇と照明の間に十分スペースがない浴室などがあげられます。古いユニットバスなどは、業者に依頼して判断してもらうことをおすすめします。
Q2. 浴室乾燥機の故障サインは?
A. 浴室乾燥機の故障にはいくつかのサインがあります。まず、乾燥機能が低下し、洗濯物が十分に乾かなくなることが挙げられます。
さらに異常な音や異臭が発生する場合や、運転中に突然停止することも故障の兆候です。操作パネルの表示が不安定になったり、エラーメッセージが表示されることもあります。これらのサインが見つかった場合には早めに点検や修理を依頼し、故障を未然に防ぎましょう。
7. まとめ
浴室乾燥機に関しての疑問は解消できましたか?使い方さえ工夫すれば生活の質を底上げしてくれる浴室乾燥機。
お取り付けを検討している方は、ぜひ一度【おうちのアラート】までご相談くださいね。
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