「コンクリートはつり工事」とは?方法や費用、注意点を解説

家の解体や新設の際に耳にする「はつり工事」。「はつり工事」とはコンクリートを削ったり切ったりする工事の一種ですが、具体的にはどういった方法で行なうのでしょうか?

本記事はその辺りを説明するとともに、費用相場、注意点についても詳しく解説します。

1. はつり工事とは?

はつり工事は、コンクリートを削ったり、切ったり、穴を開けたりして加工する工事の総称です。マンションや一般住宅の壁だけでなく、道路や橋のアスファルトを削る工事も含まれます。はつり工事には、以下の3種類があります。

1-1. コンクリートはつり工事

コンクリートはつり工事は、窓ガラスの枠をはめる際に行なわれる工事です。これはコンクリートを削って隙間や歪みをなくし、窓枠をきれいにはめることを目的としています。この作業では、電動ハンマーやカッターを使用し、必要な形状やサイズにコンクリートを加工します。

1-2. こわし工事

こわし工事は、コンクリートを壊す工事のことで、主に解体作業に用いられます。建物の取り壊しや大規模な修繕に伴って行なわれることが多いでしょう。なお、コンクリートの粉砕には、大型の重機やブレーカーなどを使用します。

1-3. はつり仕上げ工事

はつり仕上げ工事は、コンクリートの表面を仕上げるための工事です。工具を用いて手作業でコンクリートの表面を仕上げるため、ベテランの作業者によって担当されます。タガネや手動ハンマーを使用して表面を均一に削り、美しいデザインに仕上げていくため、装飾的な要素が求められる建築物や美観を重視する場所で多用されます。

2. 解体工事との違い

はつり工事と解体工事の主な違いは、目的にあります。解体工事は老朽化して使用できなくなった建物や、再開発のために建物全体を取り壊すことを目的としていますが、はつり工事はコンクリートを活かすべく加工を加えることを目的としています。

解体工事が大型の重機や爆破技術を用いて取り壊しを行なうのに対して、はつり工事は人の手で行われる作業も多く、より繊細な作業が求められます。

このように同じコンクリート作業でも目的が違えば、その規模や方法がまったく異なるのです。

3. はつり工事が行なわれる現場

それでは、はつり工事が行なわれる現場とは一体どのような現場でしょうか?以下にその特徴を挙げていきましょう。

3-1. 騒音に配慮しなければいけない現場

はつり工事は重機を使う作業よりも静かに進めることができるため、騒音が気になる集合住宅などの工事に採用されることが多いです。例えば、マンションのリフォームやリノベーションなどでは重宝する工法です。

3-2. 重機が入れないような狭い現場

人が行なうはつり工事であれば、大型の重機が入れないスペースでも道具を持ち込み、作業に臨むことができます。なお、使用される道具には、タガネ、電動ハンマー、電動ドリルなどがあります。

3-3. 繊細な手作業を必要とする現場

ビルの外観や内観の美観を整える際にも、はつり工事は有効です。手作業で素材の硬さや状態に合わせ力加減を調整していくため、美しい仕上がりが期待できます。例えば、歴史的建築物の修復や高級住宅の内装工事などでは、はつり工事を求められることが多いでしょう。

4. はつり工事の注意点

続いてははつり工事においての注意点をご紹介します。住宅リフォームや新設の際にはつり工事を行なうようであれば、以下の点に気をつけて進めてください。

4-1. 騒音対策

重機を使う工事に比べて静かだとはいえ、硬いコンクリートを加工する上で音や振動は発生します。工事を行なう時間帯には十分に配慮し、事前に周囲への挨拶を行なっておくことをおすすめします。また、可能であれば、騒音を最小限に抑えるための防音シートや防音壁を設置するのもひとつの手です。

4-2. 工事費が高くなる可能性

はつり工事は使用する工具や必要な人員によって費用が異なります。見積もり段階で高いと感じた場合は、その理由を業者に尋ねるようにしましょう。安易に値下げを要求すると、防音対策やクオリティに影響する可能性があります。例えば、見積もりには、はつり工事の単価や平米単価が含まれているため、不明な点があれば質問して確認することが重要です。

5. まとめ

コンクリートを削ったり、切ったり、仕上げたりする「はつり工事」。

様々な現場で採用される工法なだけに、皆さんがリフォームや住宅を建設する際にもお世話になる機会があるかもしれません。そうした場合には、上記に挙げた騒音や費用といった注意点に気をつけながら、ぜひ納得のいく仕上がりを目指してみてくださいね。

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