ガスコンロの安全装置とは?標準搭載のSiセンサーやメーカー独自機能も紹介

消し忘れや鍋底の過度な温度上昇などを防いでくれる、ガスコンロのありがたい安全装置。普段何気なく利用していますが、安全機能にはほかにどんな機能が備わっているのでしょうか?

本記事では、ガスコンロの安全機能についてわかりやすく解説します。2008年10月以降のモデルに標準搭載されている安全装置「Siセンサー」やその他の主な安全装置、一部メーカーの独自機能についても紹介するので、参考にしてみてください。

1. ガスコンロの安全装置「Siセンサー」とは

ガスコンロにはキッチンでの安全を守るために、さまざまな技術が採用されています。なかでも「Siセンサー」は、その優れた機能で多くの家庭のキッチンを守る重要な装置です。Siセンサーの由来は、“安心(Safety)、便利(Support)笑顔(Smile)を約束する、賢い(intlligent)”センサー。その名の通り、ガスコンロに標準搭載されているセンサーで、調理中の危険を感知して自動でガスを止めるなど、さまざまな安全機能を提供します。

1-1. 2008年にSiセンサーの搭載が義務化

2008年10月、家庭の安全をより一層強化するため、ガスコンロにSiセンサーの搭載が義務付けられました。この年を境に、新しく市場に出るガスコンロには、Siセンサーが必ず搭載されることとなったのです。Siセンサーの義務化は、調理中の事故リスクを軽減し、多くの家庭での安全性の向上に貢献しています。火の使用には常に注意が必要ですが、Siセンサーのおかげで、万が一の事態にも迅速に対応できるようになったのです。

1-2. Siセンサーの主な安全機能

Siセンサーにはどのような機能があるのでしょうか。Siセンサーはただガスを止めるだけでなく、日々の料理を安全かつスムーズに行えるように多様な機能を備えています。ここでは、Siセンサーによるガスコンロの主要な安全装置について、その仕組みや機能を見ていきましょう。

①調理油加熱防止装置

油での調理は、温度が急激に上昇し過ぎると火災の原因になりがちです。しかし、Siセンサーに搭載されている温度センサーは、油の温度が危険な水準に達する前にガスを自動でオフ。この機能により、揚げ物をする際のリスクが軽減されます。

②立消え安全装置

風や煮こぼれなどで、使用中にコンロの火が意図せず消えてしまうことがあります。立ち消え安全装置は、このような状況を感知し、ガスの流れを自動でストップ。不測の事態によるガス漏れの心配がなくなります。

③消し忘れ消火機能

Siセンサーのコンロ消し忘れ消火機能は、火が一定時間以上使われていないことを感知すると自動的にガスを遮断します。この機能により、不在時の火災リスクが大幅に減少するでしょう。グリル部分もまた、長時間使用し続けると高温になり、火災の危険性が高まります。Siセンサーによるグリル消し忘れ消火機能は、グリルが一定時間以上使用された後、自動的に消火してくれる機能です。この機能により、魚を焼いたり、トーストを作ったりする際も、安全を確保しながら美味しい料理を楽しむことができます。

④早切れ防止機能

早切れ防止機能は、調理中の鍋底温度を250℃で一定に保ち、油の発火を防ぐために設計されています。この機能が働くと、温度が250℃に達すると「ピッ」と合図が鳴り、火力が自動的に弱火に調整されます。さらに、30分経過すると自動消火します。温度が下がれば、火力を中火~強火に手動で戻すことも可能ですが、再び250℃に達すると自動で弱火に戻ります。

1-3. Siセンサーの主な調理機能

安全性を高めることはもちろん、Siセンサーは料理をより手軽で楽しく、美味しくするための機能も備えています。ここでは、その中から特に注目される温度調節、炊飯、湯わかし機能に焦点を当てて見てみましょう。

①温度調節機能

Siセンサーによる温度調節機能により火加減を細かくコントロールできるため、料理に集中でき、思い通りの味を実現できます。例えば、弱火でじっくりと煮込む料理も、焦げ付くことなく、また、火加減を気にすることなく、理想的な状態で調理を進めることができます。

②炊飯機能

Siセンサーの炊飯機能は、炊飯をより簡単に美味しくしてくれます。温度や火力を適切に管理して、米の芯まで均等に加熱。これにより、ふっくらとした理想のご飯が炊き上がります。炊飯器を用意することなく、ガスコンロ一台でお米の甘みとふくらみを最大限に引き出せるのです。

③湯わかし機能

湯わかし機能は、水が沸騰した瞬間を検知し、自動で火力を調整します。沸騰し過ぎて湯が溢れる心配もなく、また、無駄にガスを消費することもありません。忙しい朝や、サッと一品作りたい時にも、この機能が大きな助けとなってくれます。

1-4. Siセンサー使用時の注意点

Siセンサーはとても便利な機能ですが、最大限に活用するためには、いくつかの注意点を理解して適切に使用することが重要です。以下に、Siセンサーを使う際の主な注意点を挙げ、それぞれ詳しく説明します。

①鍋底を密着させる

Siセンサーを備えたガスコンロでは、センサーが正確に機能するように、鍋やフライパンの底をコンロにしっかりと密着させることが大切です。底面がガスコンロと完全に接触していないと、センサーがうまく温度を感知できず、調理に影響を与えたり、安全機能が正常に作動しなかったりするおそれがあります。そのため、調理器具を選ぶ際は、底が平らでガスコンロにぴったりと合うものを使用しましょう。

②使用できない容器もある

Siセンサーは便利な機能を多く備えていますが、すべての容器で正常に作動するとは限りません。特に、底が非常に薄いものや、材質がセンサーに影響を与えるものは避けるべきです。例えば、耐熱ガラスの容器や土鍋などを使用すると、Siセンサーの機能に影響を及ぼすことがあります。新しい調理器具を購入する際は、Siセンサーに適したものであるか確認しましょう。

③高温での調理に注意

Siセンサーは調理中の安全を守るために温度を監視しますが、高温で調理する際には注意が必要です。例えば、炒め物を作る際には、火力が強すぎるとセンサーが過熱と判断し、自動的に弱火に調節したり、ガスをオフにしたりすることがあるからです。料理によっては強火が必要な場面もあるため、火力とセンサーの反応を見ながら、適切な温度管理を心掛けましょう。

2. Siセンサー以外の主な安全装置

Siセンサーだけではなく、最近のガスコンロにはさまざまな安全装置が搭載されています。これらの機能は、日常の調理をより安全かつ便利にするために設計されており、キッチンでの事故リスクを抑えてくれるでしょう。ここでは、Siセンサー以外の主な安全装置について紹介します。

2-1. 焦げつき消火機能

焦げつき消火機能は、鍋の中身が完全に焦げついてしまった場合に自動でガスを止める機能です。このシステムは、鍋の底の温度が異常に高くなるとそれを感知し、火災が発生する前に自動でガスをオフにしてくれます。

2-2. チャイルドロック

小さなお子さんがいる家庭では、キッチンが安全であることが特に重要です。チャイルドロック機能は、子供が誤ってガスコンロを操作することを防ぎます。この機能を有効にすると、特定の操作をしない限り、コンロが点火されないようになるのです。

2-3. 中火点火

中火点火機能は、ガスコンロを点火する際に自動で中火から始まるように設定されています。これにより、強火での誤った点火を防ぎ、料理中の急な火傷や火災のリスクを減らします。とくに初心者の方や、料理中に他の作業をする必要がある方にとって、この機能は非常に便利です。

2-4. グリル加熱防止機能

グリル加熱防止機能は、グリル内部の温度が一定以上になると自動で加熱を停止する機能です。長時間の加熱による火災を防ぐだけでなく、無駄なガスの消費を抑えることにもつながります。安全かつ経済的に、グリルを利用することができます。

2-5. グリル炎排気口あふれ防止

グリル炎排気口あふれ防止機能は、グリルの排気口から炎が出ないようにする機能です。この機能により、グリルの使用中に発生する炎が外部に漏れ出し、キッチンに火災を引き起こすリスクを減らします。安全にグリルを使いたい方にとって、非常に重要な機能です。

2-6. 点火確認表示

点火確認表示は、コンロの各バーナーが点火されているかどうかを一目で確認できるようにする機能です。この視覚的なサインにより、使用中のバーナーが明確になり、誤って点火している状態を素早く認識し、速やかに対処できます。特に忙しい調理中や、複数のバーナーを同時に使用している際には便利です。

3. 一部メーカーに搭載されている安全装置

ガスコンロの安全装置は日々進化しており、一部のメーカーからはさらに先進的な機能が提供されています。ここでは、特に注目される感震停止機能と鍋無し検知機能について詳しく見ていきましょう。

3-1. 感震停止機能

地震は予期せぬタイミングで発生し、キッチンにおいても大きなリスクをもたらすことがあります。感震停止機能は、地震の揺れを感知すると、自動的にガスの供給を停止する機能です。これにより、地震発生時の火災やガス漏れのリスクを大幅に低減できます。

3-2. 鍋無し検知機能

調理を始める際、鍋をコンロに置くことを忘れてしまったり、誤って鍋をコンロから外してしまったりすることは意外とよくあるでしょう。鍋無し検知機能は、コンロの上に鍋が置かれていない状態でガスが点火されると、それを感知して自動でガスをオフにします。

4. 安全装置付きガスコンロのおすすめ3選

キッチンでより快適に調理を楽しもうと考えているなら、安全装置が充実したガスコンロを選ぶことが大切です。以下では、安全性と機能性を兼ね備えたおすすめのガスコンロを3つご紹介します。いずれも快適で安全な料理環境を提供してくれるものばかりなので、チェックしてみてください。

4-1. リンナイ「ユーディア・エフ」

リンナイの「ユーディア・エフ」は、安全装置と洗練されたデザインが魅力のガスコンロです。Siセンサーをはじめとする複数の安全機能が搭載されており、調理中の安全をしっかりと守ります。また、炊飯機能や温度調節機能など、日々の料理をサポートする便利な機能も満載。さらに、鍋なし検知機能と感震停止機能も備えており、使いやすさと安全性を兼ね備えたモデルです。

4-2. ノーリツ「プログレ」

「プログレ」はノーリツから登場した先進的なガスコンロで、機能性と安全性を重視した家庭向けのモデルです。このコンロは特に、安全機能に注目が集まっており、感震停止機能やチャイルドロックをはじめ、日常生活における様々なリスクに対応しています。さらに、掃除のしやすさにも配慮されており、取り外し可能な部品によってメンテナンスの手間が軽減されます。

4-3. パロマ「クレア」

パロマの「クレア」は、スタイリッシュな外観と高い機能性を兼ね備えたガスコンロです。独自の省エネ機能や細かい火力調節が可能な点火機能を搭載しており、エコながらもパワフルな調理が可能です。また、各種安全装置もしっかりと備えており、日々の料理を安心して楽しむことができます。デザインと機能性を重視する方には、「クレア」がぴったりです。

5. まとめ

本記事ではガスコンロの安全装置について解説しました。最近のガスコンロには、Siセンサーをはじめさまざまな安全装置が搭載されています。各機能の特徴や目的を知って、家庭やライフスタイルに合ったガスコンロ選びの参考にしてみてください。

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