長く同じ場所に住んでいると、家の中のさまざまな経年劣化に気付きますが、和室の襖(ふすま)もそのひとつ。破け、たるみ、色褪せなどが気になり出したら、襖の張り替えのタイミングかもしれません。本記事では襖種別におおよその費用をご紹介。さらには業者の選び方、DIYの方法まで解説します。
1.襖の張り替えのタイミング
大体10年が襖の張り替えの目処だと言われていますが、それに関わらず、襖の劣化が気になってきたら襖の張り替えのタイミングです。
襖の劣化は、おもにシミ、汚れ、色褪せ、変色、剥がれ、カビ、たるみなど。襖は経年劣化してしまうものなので、無理に同じものを使い続けるのではなく、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
2.襖の種類と張り替え費用
“襖の張り替え”とひと言で表現していても、実は種類によって張り替え方法が異なります。
主な張り替え方法は、既存の襖紙を剥がしてもう一度土台に張り直す「張り替え」と、既存の襖紙の上に新しいものを重ねる「重ね張り」です。
どちらの方法を取るかは、現在お使いの襖の種類によって異なります。以下で種別の特徴と費用をみていきましょう。
2-1.襖の種類の見分け方
一見同じに見える襖ですが、材質や作り方の違いから4つに分類されます。見分け方は以下の通りです。あらかじめお使いの襖の種類を知っておくと、業者に依頼する際もスムーズなのでチェックしておきましょう。
・表面を叩くと木の音がする:「板襖(いたふすま)」別名「戸襖(とふすま)」
・木組が手で確認できる:「本襖(ほんふすま)」
・持ち上げると軽い:「段ボール襖」「発泡スチロール襖」
2-2.「板襖」をリフォームする場合
板襖(戸襖)は木枠、ベニヤ板、紙を重ねて作られた襖です。枠を外すことができないため、重ね張りで張り替えを行えます。費用は1枚あたり2,500〜5,000円程度です。
2-3.「本襖」をリフォームする場合
本襖は木枠の上に紙を重ね張りして作られた襖です。枠を外せば、襖紙を張り替えることができます。費用は1枚あたり3,500〜6,000円程度です。
2-4.「発泡スチロール襖」をリフォームする場合
芯に発泡スチロールを使用した襖で、非常に軽く、持ち運びが楽なことが特徴です。通常重ね張り形式で張り替えを行ないます。費用は1枚あたり1,500〜2,500円程度です。
2-5.「段ボール襖」をリフォームする場合
三層程度に重ねた段ボールを芯材とした襖です。上層の段ボールの両面には、湿気防止のアルミ箔が貼られています。枠が外せないため張り替えが難しく、基本的には買い替えが一般的です。ただし、なかには重ね張りを行なってくれる業者もいるようです。費用は1枚あたり1,500〜2,500円程度です。
3.襖の張り替え業者を選ぶポイント
襖の張り替えをサービスとして行なうには資格が必要です。
依頼する業者を選ぶ際には必ず「表装技能士(ひょうそうぎのうし)」の国家資格を持っているかどうかをチェックしてください。
ちなみに「表装技能士」とは、絵や書などを、布や紙などの材料と糊を使って、絵や書などを仕上げる職人を指します。また、HPから施工写真などを確認し、仕上がりのイメージを掴むことも業者を選ぶ上で参考になります。
4.襖の張り替えのDIY手順
枠を外して張り替えを行なうタイプの襖は難易度が高いため、業者への依頼がおすすめです。一方で、重ね張りが可能なタイプの襖は、器用な方やDIYに慣れている方ならご自分でできる場合も。ここではシールタイプの襖紙を用いて「戸襖」「発泡スチロール襖」「段ボール襖」の重ねばりを行なう手順をご紹介します。
また、動画サイトなどでも張り替え手順を紹介した動画などがアップロードされているため、併せてチェックしてみるのもおすすめです。
【張り替え手順】
・バールを用いて取手をとる
↓
・枠の汚れ防止にマスキングテープを貼る
↓
・襖の上にシールタイプの襖紙を被せ、貼る位置をマーキングする
↓
・空気を押し出しながらゆっくり襖に貼っていく
↓
・襖紙の余りをカットする
↓
・取手を再びつける
5.まとめ
以上、襖の張り替えにかかる費用と方法をご紹介しました。ご自宅の襖の種類を把握することで、適した張り替え方法や費用も明確になります。さらに、専門業者への依頼もスムーズに。ぜひご自宅の襖と照らし合わせながら、張り替えプランを検討してみてくださいね。
もしお困りの際には、ぜひ一度【おうちのアラート】までお問い合わせください。