掃き出し窓とは?メリット・デメリットと選ぶポイントを解説

家の中と外をシームレスにつなぐ役割を果たす「掃き出し窓」。その名の通り、床から天井までの大きな窓で、庭やバルコニーに直接出入りできるのが特徴です。

この記事では、掃き出し窓の特徴を詳しく解説し、他の窓との違いや選ぶ際のポイントを紹介します。家のデザインや使い勝手を向上させたいと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

1. 掃き出し窓とは

窓の種類を指す言葉としてよく耳にする「掃き出し窓」。では、一体どのような形式の窓なのでしょうか?本章では、掃き出し窓の特徴から、腰高窓、引き違い窓などの他の窓との違いについて詳しく説明します。

1-1. 掃き出し窓とは

掃き出し窓は、床から天井までの高さを持つ大きな窓のことで、主にリビングやダイニングルームに設置されます。

この窓の特徴はその名の通り、室内のチリやホコリをほうきで外に「掃き出す」ように開け放てること。床面まで開口部があるので、窓を開けると室内と屋外がシームレスに繋がり、庭やバルコニーへのアクセスがしやすくなります。


また、掃き出し窓は大きなガラス面を持つため、室内にたっぷりと自然光を取り入れることができ、開放感を演出します。景色を楽しむことができるため、居住空間の魅力を高める効果もあります。

しかし、その大きさゆえに防犯対策や断熱性、防音性などには注意が必要です。

1-2. 掃き出し窓・腰高窓・引き違い窓の違い

一般的に「掃き出し窓」は、床面から天井近くまで開口部がある大きな窓で、出入りの多いリビングからベランダ・バルコニーへと続く窓に設置されることが多く、プライバシーを保ちつつ光を取り入れてくれます。

一方「腰高窓」は、大人の腰の高さほどの位置より上に設置される窓で、キッチンや個室に多く設置されます。

他にも、窓のタイプを表す言葉として、よく耳にするのが「引き違い窓」です。両者の違いがわからないという方も多いかもしれませんが、そもそもこの2つの窓は相反するものではなく、「掃き出し窓」は窓のデザインを指し、「引き違い窓」は窓の開閉方法についてを指しています。

引き違い窓」は、2枚以上のガラス戸を水平にスライドさせて開閉する一般的な窓の開閉方式を指すため、「掃き出し窓」の多くが「引き違い窓」を採用していることとなります。

あくまでも、「掃き出し窓」は床面から天井近くまで開口部がある窓のことを指し、窓の開閉方法を示す言葉ではないことに注意しましょう。

2. 掃き出し窓のメリット

そのデザイン性の高さや使い勝手の良さから近年人気の掃き出し窓。でも、メリットはそれだけではないんです。

次に、掃き出し窓のメリットを詳しくみていきましょう。

2-1. 出入りのしやすさ

掃き出し窓のメリットの一つは、その出入りのしやすさです。掃き出し窓は、天井近くから床面まで開口部が広がっているためステップが小さく、室内と屋外がシームレスに繋がります。

このため、庭やバルコニーへの出入りが非常に容易であり、大きな荷物を運び出す際にも、快適に室内外を行き来することが可能です。

また、ステップが小さい掃き出し窓はバリアフリー設計としても機能してくれるため、高齢者や身体的制限のある人々にとっても使いやすいといえるでしょう。

2-2. 日当たりや風通しの良さ

日当たりや風通しの良さも掃き出し窓を設置する大きなメリット。床から天井までの大きな窓は、たくさんの自然光を室内に取り入れ、部屋全体を明るく照らします。これにより、部屋が明るくて開放的になり、快適な生活空間に。

また、掃き出し窓は腰高窓に比べて広い開口部をもつため、良い通風を確保しやすく、室内の空気を新鮮に保ちます。室内の空気が滞りがちな場所や、湿度が高くなりがちな季節でも、快適な環境を維持しやすいのは嬉しいメリットですよね。

2-3. 部屋からの眺めの良さ

ガラス面の大きい掃き出し窓を設置することで、部屋全体に開放感が生まれます。床から天井までの大きな窓から外の景色が見えるので、眺望も抜群。

さらに、窓の外に庭を作ったり樹木を植えることで、緑あふれるリラックス空間へと仕上げることができます。窓から見える景色は、季節の移り変わりや日光の美しさなどを感じられ、日常を豊かに彩る魅力的な要素。

掃き出し窓から外を眺めるひとときは、慌ただしい日常の中で心を落ち着かせてくれる大事な時間になること間違いなしです。

2-4. デザイン性の高さ

床面から天井近くまでの大きな窓は、部屋全体にモダンでスタイリッシュな印象を与えてくれます。

また、掃き出し窓は大きな開口部から豊かな自然光を取り入れるため、部屋の雰囲気を明るく開放的にし、空間を広く見せてくれるという嬉しいメリットも。

機能性とデザイン性に優れた掃き出し窓は、インテリアにこだわりたいという方にもおすすめです。

3. 掃き出し窓のデメリット

掃き出し窓を取り入れることを検討している方にとって気になるのが、掃き出し窓のデメリット。掃き出し窓を取り入れるデメリットについてもおさえた上で、しっかりと対策しておきましょう。

3-1. 暑さ寒さを感じやすい

窓は部屋の温度を左右する重要な要素。大きな窓は外気が出入りしやすくなるため、夏は室内が暑くなりやすく、冬は冷え込みやすくなります。そのため、開口部の大きい掃き出し窓は、季節の変化による暑さや寒さを感じやすくなるというデメリットがあります。

また、ガラス面の大きい掃き出し窓は、冷暖房も効きにくくなるため、光熱費が増加する恐れもあります。快適な室内環境を維持するためには、二重窓やLow-Eガラスなどの断熱性能の高い窓を取り入れるのがおすすめ。

他にも、窓枠や隙間の断熱材の追加、遮熱・遮光カーテンを取り付けるなど、十分な対策をするようにしましょう。断熱シートを窓に貼ることでも、手軽に断熱性を高めることができますよ。

3-2. プライバシー・防犯面に懸念も

開口部の大きな掃き出し窓は、場所によっては外から部屋の様子が見えてしまい、プライバシー面におけるリスクが高まるというデメリットも。

開放感があり、外の景色を楽しめる掃き出し窓ですが、その分外から家の中が見えていることを十分理解しておく必要があります。プライバシーを守るためにも、目隠しとしてブラインドやカーテンを使用し、必要に応じて閉じるようにしましょう。部屋の眺望を特に重視しないということであれば、フィルムシートなどを貼ることでも目隠しになりますよ。

また、庭やバルコニーに直接つながるため、不審者による侵入リスクも高まります。特に1階に設置された掃き出し窓は、防犯ガラスや補助錠の活用など、防犯対策をしっかり行うことが重要です。

3-3. 音が漏れやすい

大きな窓は室内外の音が漏れやすく、特に交通量の多い道路や騒々しい環境では、騒音が気になる可能性があります。また、大きな声で会話した場合など、状況によっては部屋の中の声が外に漏れてしまうことも。

対策として、窓ガラスを二重窓に交換したり、防音フィルムを貼ることで、外部からの音を軽減することができます。カーテンやブラインドを密閉性の高いものに変えることも効果的です。

3-4. 人によっては開閉しづらいことも

掃き出し窓はガラス面が大きい分ドアが重くなりやすく、開閉に力を要することもあります。

子供や高齢者、身体的制限のある人々にとっては、操作が重労働と感じることがありますので、注意が必要です。

4. 掃き出し窓を設置する際のポイント

メリットもあればデメリットもある掃き出し窓。

そんな掃き出し窓のデメリットをカバーしつつ、メリットを上手に活かすために、おさえておきたいポイントがいくつかあるんです。最後に、掃き出し窓を設置する際に知っておきたいポイントをご紹介します。

4-1. 高性能の窓を選ぼう

掃き出し窓を設置する際の重要なポイントの一つは、性能の高い窓を選ぶことです。

前章で説明した通り、暑さ寒さを感じやすい、音が漏れやすいなどの掃き出し窓ならではのデメリットがいくつか存在します。そんなデメリットをカバーするためにも、断熱性や防音性に優れた掃き出し窓を選ぶのがおすすめ。

二重サッシの窓は、窓ガラスの間に空気層が生まれることで断熱性や防音性を高め、外部からの熱や騒音を効果的に遮断してくれます。

また、Low-Eガラスは特殊なコーティングを施したガラスで、太陽光の熱を反射し、熱を伝えにくくする効果があります。

さらに、樹脂フレームやアルミ樹脂複合フレームも断熱性を高めるのに最適です。窓枠からの熱や冷気の伝導を抑制してくれるので、開口部の大きい掃き出し窓でも快適に過ごすことができるでしょう。

4-2. ステップのないバリアフリー設計に

近年では、室内外がシームレスに繋がっているような設計が人気を集めていることから、下枠のステップがほとんどないフラットな掃き出し窓が採用されるケースが増えてきています。

このようなデザインは、室内と屋外の一体感を高めてデザイン性を向上させるだけでなく、高齢者や身体的制限のある人々にとっても快適な住まいを実現します。ステップのない掃き出し窓は、車椅子やベビーカーなどの利用者にとっても便利で、室内外の移動がスムーズになります。

そのため、掃き出し窓を設置する際には、ステップのないバリアフリー設計を選ぶことが、家族全員にとって快適な空間を作ることができるでしょう。

4-3. シャッターを備えておこう

防犯性を高めるためには、シャッター付きの掃き出し窓もおすすめです。シャッターの中には、閉めていても風通しや採光を確保できるタイプもあるので、掃き出し窓のメリットはそのままに、外部からの視線を遮ることができます。

また、防火性能を備えたシャッターもあり、これを設置しておけば防火窓にする必要もなくなります。

災害被害や防犯リスクを最小限に抑えたい方は、適切なシャッターを備えておくようにしましょう。

5. まとめ

いかがでしたか?

部屋の大部分を占める窓は、空間の印象を左右する重要なポイント。中でも、広々とした開放感を演出し、リラックス空間をもたらしてくれる掃き出し窓は、暮らしをより快適にしてくれる強い味方です。掃き出し窓を取り入れようかお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にぴったりの窓を選んでみてくださいね。

掃き出し窓に関してお悩みの方は、【おうちのアラート】までぜひご相談ください。

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