リード文:2024年に向けて、家の断熱性を高め、省エネルギーで快適な住まいを実現する先進的窓リノベ事業が注目されています。補助金活用で、お家のリノベーションをお考えの方は必見です。
※2024年3月執筆時点の情報です。補助金申請にあたっては、公式Webサイトで最新情報をご確認ください。
1. 先進的窓リノベ事業の概要
先進的窓リノベ事業では、既存住宅における冷暖房効率の向上とエネルギー節約が促すために、断熱効果の高い窓やドアへの交換工事を支援する事業です。補助金の申請期間は2024年3月中・下旬から年末までですが、予算に限りがあるため、必要書類を早めに準備し申請することが推奨されます。
1-1. 交付申請はお早めに
補助金を受けるための第一歩として、ある重要なお知らせがあります。
補助金の交付申請期間は「2024年3月中・下旬から、予算がなくなるまで、または遅くとも2024年12月31日まで」とされています。予算の限りがあるため、予想よりも早く申請受付が終了することも考えられます。
そのため、補助金を活用したいと考えている方は、早めに行動に移すことが大切です。
とくに必要な書類や証明書を準備するには時間がかかることが予想されます。2024年3月中・下旬以前に、すべての書類を揃えられるように計画を立てて行動しましょう。このように準備を整えることで、スムーズに申請プロセスを進めることが可能となります。
1-2. 事業の概要
この事業は、住宅の窓やドアのリフォームに焦点を当てています。具体的には、断熱効果の高い窓やドアへの改修をサポートしており、これにより冷暖房の使用効率を向上させます。結果として、エネルギーの節約につながり、室内をより快適に保つことができるうえ、家計にも優しく、CO2の排出量削減にも貢献します。
1-3. 補助対象
- ガラス交換
- 「ガラス交換」とは、既存窓のガラスのみを取り外し、既存サッシをそのまま利用して、複層ガラス等に交換する工事をいいます
- 内窓設置
- 「内窓設置」とは、既存窓の内側に新たに内窓を新設する、または既存の内窓を取り除き新たな内窓に交換する工事をいいます
- 外窓交換
- 「外窓」とは、住宅の外皮部分(*1)にある開口部に設置する建具のうち、屋外から施錠できない建具をいいます
- ドア交換
- 「ドア」とは、住宅の外皮部分(*1)にある開口部に設置する建具のうち、屋外から施錠できる建具をいいます
(*1) 外壁ライン上にある熱的境界をいいます
1-4. 補助上限の概要
一戸あたり5万円〜最大200万円までを補助
2. 条件・補助金の詳細
窓リノベ事業では、窓やドアのリフォームを検討している家主や賃貸を管理する方々に補助金を提供します。補助対象は、一定期間内に施工される、断熱性能を高めるリフォームです。ただし、外気に面していない場所の工事や補助金額未満の工事は対象外です。補助を受けるには、条件に合致した工事を行ない、必要な申請を進めることが大切です。詳しくは公式サイトをご覧ください。
2-1. 対象となる方・条件
- 窓リノベ事業者(*1)と工事請負契約を締結し、窓のリフォーム工事をする方
- 窓のリフォーム工事をする住宅の所有者等であること
- 住宅を所有する個人またはその家族
- 住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人
- 賃借人
- 集合住宅等の管理組合・管理組合法人
(*1)「窓リノベ事業者」とは、補助対象者に代わり交付申請の手続きを行ない、補助金の交付を受け、交付された補助金を補助対象者に還元するものとして事務局に登録された施工業者等をいいます
2-2. 補助対象となる住宅
以下に該当する既存住宅(建築から1年が経過した住宅または過去に人が居住した住宅)であること
- 戸建住宅
- 1住戸が独立した建物
- 集合住宅(*1):低層集合住宅
- 地上3階以下の集合住宅
- 集合住宅(*1):中高層集合住宅
- 地上4階以上の集合住宅
(*1) 複数の住戸や住宅以外の用途の区画(店舗や倉庫等)が共存する建物。二世帯住宅、マンション、長屋、店舗併用住宅を含みます
2-3. 対象となる工事と補助額
補助額が5万円以上(*1)であり、以下に該当するリフォームであることが条件となります。
(補助額は、工事の内容、住宅の建て方、対象製品の性能とサイズにより異なります。)
工事内容 | 説明 | 最大補助額 | 対象外 |
---|---|---|---|
ガラス交換 | 既存窓のガラスを複層ガラス等に交換し、既存サッシを利用する工事 | 55,000円 | ドアにつくガラスのみの交換 |
内窓設置 | 既存窓の内側に新たな内窓を設置することで断熱性能を向上させる工事 | 112,000円 | 開口面と平行でない設置や開口面から50cmを超えて設置された内窓 |
外窓交換(カバー工法) | 既存の窓枠上に新しい窓枠を被せ、複層ガラス等に交換する工事 | 266,000円 | 住宅の外皮部分に設置されない外窓 |
外窓交換(はつり工法) | 既存の窓枠とガラスを取り外し、新しい複層ガラス等の窓枠に交換する工事 | 266,000円 | |
ドア交換(カバー工法) | 既存のドア枠を残し新たなドア枠を上から取り付ける工事 | 266,000円 | ドアガラス交換と、補助対象のドア交換(内窓設置含む)、別契約での窓・ドア交換 |
ドア交換(はつり工法) | 既存のドア枠を取り外し、新しいドアと枠に交換する工事 | 266,000円 |
(*1) 複数の窓の工事を行い、本事業と子育てエコホーム支援事業に分けて申請する場合でも、本事業単独で申請する補助額が5万円以上とします。(両事業の補助額を合算できません)
同一開口部に複数の対象製品を設置しても、1つの製品に限り補助金の対象となり、補助額に算入することができます。
2-4. 対象とならない工事例
- 補助金額未満の経費での工事
- 外気に面していない窓やドアの交換
- ドアガラス部分のみの交換
- ドア交換(ドアに対する内窓設置を含む)のみを補助対象とする工事異なる契約でのドアと窓の交換
- 住宅以外での用途である建物・居室・区画に行なう工事
- 施主支給または材工分離による工事
- リース設備や中古品を使用する設置工事
- 省エネ性能が下がる設置工事
- メーカー保証外の取り付け方法での工事
2-5. 対象となる期間
工事着手(*1)の期間が2023年11月2日〜2024年12月31日のリフォーム工事です。
(*1) 工事着手とは、締結した工事請負契約に含まれる最初の工事に着手することをいいます。
2-6. 補助上限
対象工事に応じた補助額の合計が1戸あたり200万円まで
詳細は公式サイト「先進的窓リノベ2024事業」 > 対象要件の詳細をご確認ください。
3. 申請方法
申請を行なうのなら、ワンストップで補助事業に申請を行なえる「ワンストップ申請」を活用しましょう。高断熱窓や省エネ給湯器の設置など、エコホームに関する補助が可能です。業者が申請代行を行なうので、手続きがスムーズに進みます。事前の確認が大切ですので、詳細は公式サイトをチェックしてください。
3-1. ワンストップ申請について
「住宅省エネ2024キャンペーン」を通じて、リフォーム関連の補助金申請を一手に引き受ける便利な仕組みが提供されています。例えば、高断熱窓の設置や効率的な給湯器の導入を支援する「子育てエコリフォーム支援事業」を利用した場合、その製品の性能に応じて、「先進的窓リノベ2024事業」や「給湯省エネ2024事業」といった他の補助金プログラムからも支援を受けられることがあります。
ただし、各補助金プログラムには申請に必要な書類やプロセスが異なるため、これらが独立して運用されている点には注意が必要です。リフォームを担当する業者が申請手続きを代行してくれるので、事前に業者と連携してワンストップ申請が可能かどうかを確認することを推奨します。
詳しくは「子育てエコホーム支援事業の概要資料p15」をご確認ください。
(ワンストップ申請の詳細は、各種支援事業の資料に共通で記載されています。)
3-2. 手続きの流れ
大まかな流れは、工事の契約が完了し、2023年11月2日以降に開始される工事が補助の範囲内になります。補助金の申請については、事前予約が可能であり、早めに予約することがお勧めされています(予約は必須ではありません)。また、選んだ支援事業者が、申請のプロセスを代わりに進めてくれるため、手続きがスムーズに行えます。
(1) 工事契約を結ぶ
まずは事業者(*1)と工事請負契約をする必要があります。
(*1) 補助対象者に代わり交付申請の手続きを行ない、補助金の交付を受け、交付された補助金を補助対象者に還元するものとして事務局に登録された工事施工業者等をいいます。
(2) 工事をする
工事請負契約を締結し、2023年11月2日以降に工事着手した工事が、補助の対象となります。
(3) 交付申請の予約に必要な書類を用意する
交付申請は予約制度を利用すると便利です。
補助金の交付が見込まれる工事に対して、交付申請予定額を一定の期間の間確保(予約)することができます。
予算上限に早く達してしまうと補助金の申請が受けられなくなるので、なるべく早く補助を確定させておきたい場合に便利です。
申請に必要な書類は、「3-3. 交付申請の予約に必要は書類」をご確認ください。
(4) 交付申請に必要な書類を用意する
交付申請には、工事の完了・引き渡しが完了していることが前提です。
予約時(*1)既に提出している書類の再提出は不要です。(必要に応じて、他の書類の提出を求められることがあります)
申請に必要な書類は、「3-4. 交付申請に必要な書類」をご確認ください。
(*1) 「(3) 交付申請の予約に必要な書類」 を指します
3-3. 交付申請の予約に必要な書類
交付申請の手続き自体は窓リノベ事業者が行ないますので、以下の書類を揃えればOKです。
書類 | スキャン | 詳細な条件 |
---|---|---|
先進的窓リノベ2024事業 共同事業実施規約 | カラー | 必須 |
工事請負契約書(原契約) | カラー | |
工事【前】写真(補助対象の箇所すべて | カラー | |
着工写真(契約工事のいずれかの工事の着手が確認できるもの) | カラー | |
工事発注者(法人の場合:担当者)の本人確認書類 | 白黒化 | |
法人の実在確認ができる書類 | 白黒化 | 工事発注者が法人の場合 |
既存住宅であることが確認できる書類 | 白黒化 | 補助額が30万円以上の場合 |
予約の注意点
- 手続き期間
- 2024年3月中下旬~予算上限に達するまで(遅くとも2024年11月30日まで)
- 交付申請の予約の実施は事業者と相談してください。(予算の執行状況によって予約が難しい場合があります)
- 手続きの時期
- リフォームに用いる対象製品(製品型番)が決定し、契約工事全体のうち最初の工事に着手した以降となります
- 交付申請の予約の有効期間
- 手続きから3か月または2024年12月31日のいずれか早い日までとなるます
- 予約が失効した場合も、申請期間内であれば改めて予約や交付申請が可能です
- 以下の場合予約は失効します
- 予約の有効期間を超過した場合
- 交付申請の予約が却下された場合
- 予約済みの交付申請を提出した場合
- 同じ工事請負契約に基づく同一の工事について、複数の予約を重複して行なうことはできません
3-4. 交付申請に必要な書類
交付申請の手続き自体は窓リノベ事業者が行ないますので、以下の書類を揃えればOKです。
書類 | スキャン | 詳細な条件 |
---|---|---|
先進的窓リノベ2024事業 共同事業実施規約 進的窓リノベ2024事業 共同事業実施規約 | カラー | 必須 |
工事請負契約書(原契約) | カラー | |
工事【前】写真(補助対象の箇所すべて | カラー | |
着工写真(契約工事のいずれかの工事の着手が確認できるもの) | カラー | |
工事発注者(法人の場合:担当者)の本人確認書類 | 白黒化 | |
建物の不動産登記事項証明書 建築確認における検査済証 固定資産税の納税通知または証明書 | 白黒化 | 戸別申請において補助額が30万円以上の場合、「書類」のいずれかが必須 |
法人の実在確認ができる書類 | 白黒化 | 工事発注者が法人の場合 |
既存住宅であることが確認できる書類 | 白黒化 | 補助額が30万円以上の場合 |
交付申請の注意事項
- 提出された交付申請に不備がある場合、当該交付申請を却下することがあります
- あるいは、期日を設定して確認・訂正を求め、当該期日までに不備の確認・訂正が行われない場合、当該交付申請を却下します
詳細は公式サイト「先進的窓リノベ2024事業」 > 申請手続きの詳細をご確認ください。
3-5. 申請のポイント
申請予約と書類準備を早めに行ないましょう。補助金には限られた予算があり、2024年3月の中旬から下旬に申請予約を開始できるよう、事前に必要な書類を準備しておくことが大切です。書類の準備には予想外に時間がかかることもあるため、早めに準備することをおすすめします。
4. 確定申告と年末調整での取り扱い
補助金を受け取った場合、その金額に応じて「一時所得」として確定申告をする必要があります。
一時所得は、特別控除50万円が適用されるため、合計所得が50万円を超えなければ確定申告は不要です。
しかし、先進的窓リノベ事業の補助金の上限は200万なので、工事の規模によっては補助金額が大きくなる可能性もあります。
特別控除を引いた、年間の合計所得が50万を超えたときは確定申告が必要となる場合があるため、詳しくは税務署へ問い合わせてみてください。
先進的窓リノベ事業の補助金は、年末調整で処理できないため、個人が確定申告を行なう必要があります。
正しい申告を行なうことで、税務上の問題を避け補助金を有効に活用しましょう。
5. まとめ
先進的窓リノベ事業を活用し、断熱性能の高い窓やドアで快適な住まいを手に入れましょう。補助金の申請は早めに行ない、確定申告での手続きも忘れずに。
ぜひこの機会を逃さず、省エネと快適な生活空間の両方を実現する一歩を踏み出してくださいね。また、最新の情報は公式サイトでチェックしてください。
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