畳のメンテナンス方法「畳の裏返し」を解説!新調との違い・目安時期・費用相場など

時間の経過とともに、色褪せたりささくれたり、剥がれたりする畳。消耗品であるだけに定期的なメンテナンスが必要です。畳のメンテナンス方法は、裏返しのほか表替えや新調といった方法も。

本記事では、前提知識として畳の構造を解説したあと、先に挙げたメンテナンス方法と目安時期についてご紹介していきます。リフォームを検討している方は、ぜひ参考にご一読くださいね。

1. 畳にはメンテナンスが必要

畳が痛む理由は多岐にわたります。畳の表面部分である畳表は主に天然素材のイ草を織り込んでできており、長期間使用すると表皮が乾燥してきます、この乾燥により表面が剥げやすくなり、ささくれができることがあります。

また、ペットの爪や子どものおもちゃ、はたまた掃除機など、生活する中の摩擦によって畳が擦り切れることもあります。さらには天然素材でできていることから条件が揃うとカビが繁殖することも。カビは、気温25〜30度以上、湿度70%以上、栄養分の3つの要素が一定期間揃うことで繁殖するため、梅雨時期を避けられない地域については高い確率でカビが発生してしまうかもしれません。

以上のことから、畳は消耗品と捉え、定期的なメンテナンスを視野に入れましょう。

2. 知っておきたい「畳」の基礎知識

メンテナンス方法をご紹介する前に、まずは「畳」の構造についてご説明していきましょう。畳の構造を知っておくことで、メンテナンス方法を選ぶ際にも役立ちます。

2-1. 畳表(たたみおもて)

畳表はイグサの茎を織り合わせて作られたゴザ部分のことです。
保温・除湿機能、空気清浄作用、芳香によるリラックス効果など多機能です。ただし水分を吸収しやすく痛みやすいため、最近では耐久性に優れた樹脂や和紙などを使用した畳表も登場しています。

2-2. 畳床(たたみどこ)

畳床は畳の芯となる部分です。
伝統的な稲わらでつくられた藁床をはじめとして、藁とポリスチレンフォームを組み合わせた床、藁を全く使わずインシュレーションボードのみの床などさまざまな種類があります。

2-3. 畳縁(たたみべり)

畳縁とは畳を保護するために側面に縫いつけられた布生地部分のことです。
色や模様が自由に選べるため、インテリア性が高い部分でもあります。

3. 畳の張り替え方法と目安時期

次に、畳の張り替え方法と目安の時期について解説します。「裏返し」以外でも、ご自分の和室の畳に適したものがないか検討してみましょう。

3-1. 裏返し

畳の裏返しは、畳表をはがし、その裏面を再利用するメンテナンス方法です。畳表を傷めないようにはがし、しわが寄らないように固定する特別な技術が必要で、個人で行うのは難しいことがあります。

また、目安となるメンテナンス時期は一般的に約5年から7年ごと。畳の状態や使用頻度によって異なるため、畳表が剥がれたり、畳が不均一になっている場合には、早めに裏返す必要があります。畳職人や専門家に定期的な点検を依頼し、具体的なタイミングをアドバイスしてもらうことがおすすめです。

3-2. 表替え

表替えは、畳表を新しいものに取り替える方法で、畳の寿命を延ばすための有効な手段です。

目安となるメンテナンス時期は通常、約10年から15年ごと。畳表が摩耗し、見た目や触り心地に問題がある場合には表替えが必要です。畳の素材や使用環境によって寿命は変わりますが、一般的には10年以上は持つことが期待されます。

3-3. 新調

新調は、全ての畳を新しく取り替える方法で、畳が劣化して修復が難しい場合や大きなダメージがある場合に選択されます。

新調は、大体約15年から20年ごとに行われます。ただし、畳の素材や保守状態によっても異なります。畳のメンテナンス方法の中でも、畳の交換はコストがかかるため、定期的なメンテナンスを行い、寿命を延ばすことが大切です。

4. 畳の張り替え方法別費用相場

畳の張り替え方法をチェックしたところで、張り替え方法別の費用相場について解説します。替える畳が多かったり、新しい畳が必要であったりすればするほど費用はかかります。以下でその相場をチェックしてみましょう。

4-1. 裏返し

畳の裏返しの費用は畳の状態により異なりますが、畳1枚につき3,000~5,000円ほどです。つまり、6畳間の畳をすべて裏返しする場合には、総額18,000~30,000円ほどとなるでしょう。

他のメンテナンス方法としては、畳床だけ残して、畳表と畳縁を新しいものに変える「表替え」というものもありますが、費用目安は1畳あたり5,000円~20,000円程度と、裏返しと比較すると高額です。さらに、畳をまるごと新調する場合には、1畳あたり10,000円~35,000円ほどの施工費用がかかります。

他の方法と比較すると、裏返しは、畳のメンテナンスの中で最も手軽で、リーズナブルな方法と言えるでしょう。

4-2. 表替え

畳の表替えの費用は畳のサイズや素材に依存しますが、平均的には1畳あたり5,000〜20,000円程度となります。これを6畳分全て行なうと、総額は30,000〜120,000円程度となります。裏返しよりは高価なメンテナンス方法と言えるでしょう。

4-3. 新調

畳の新調は、平均的には1畳あたり10,000〜35,000円程度かかることがあります。部屋の広さや畳の数に応じて費用が異なりますが、6畳だった場合の総額は60,000〜210,000円程度となります。

5. 自分でDIYは可能?

畳の裏返しを自分で行うことは難しいとされています。

畳表の取り外しや裏返し作業には専門的な技術が必要であり、素人が行うと畳を傷つけたり、失敗するリスクが高まります。畳は高価なものですから、メンテナンスはプロの業者に依頼することをぜひおすすめします。

6. まとめ

定期的なメンテナンスが求められる畳。できたら新調することなく、同じものを長く大切に使いたいですよね。畳の裏返しは畳を長持ちさせ、維持させるために重要なメンテナンス方法です。畳をできるだけ大切に扱いながら、劣化のサインが出てきたら畳の張り替えを検討しましょう。

もしお困りの際は、【おうちのアラート】までご相談くださいね。

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