小上がり和室とは?メリット・デメリットや作る際のポイントを紹介

小上がり和室は、リビングやダイニングに立体感を加えたり、収納スペースを確保できたりという特徴があるので人気のリフォーム手法です。

この記事では、小上がり和室のメリットやデメリット、設置時の注意点について詳しく解説します。さらに、後付けする際に確認したいポイントについても5つの視点から紹介します。

1. 小上がり和室とは

「小上がり和室」とは、通常の床面よりも一段高く設けられた和室のことを指し、近年、多くの家庭で人気を集めています。広さはさまざまですが、主に採用されているのは3畳、4.5畳、6畳です。

空間を有効に活用できる点が評価されており、リビングやダイニングに小上がりを取り入れる家庭も増えているようです。

1-1. 小上がり和室の定義と特徴

小上がり和室は、和の風情を残しながら、現代的なリビングやダイニングにも調和するデザインが特徴です。従来の和室とは異なり、床面を少し上げることで、空間に立体感を与えます。

また、収納スペースを確保できることも大きな特徴で、限られたスペースを有効活用できる点が魅力です。とくにリビングと一体化した設計にすると、段差を活用して多機能な空間を演出できます。

1-2. 小上がり和室の役割や利便性とは?

小上がり和室の主な役割は、空間を区切りながらも、家族が一緒に過ごせる多機能スペースを提供することです。たとえば、段差を使って腰掛けたり、小さな小上がり和室であれば布団を敷いてベッド感覚で利用することも可能です。さらに、床下収納を設置することで、日常の雑貨や季節物の収納が可能となり、リビングの見た目もすっきりとさせることができます。

2. 小上がり和室のメリット

小上がり和室には、収納スペースの確保や空間の立体感を作り出すといったさまざまなメリットがあります。また、和室独自の雰囲気を持ちながらも、現代的な住まいに自然に取り入れられるデザインが魅力的です。

2-1. 収納スペースの確保

小上がり和室は、床下収納を利用することで収納スペースを確保できるというメリットがあります。和室自体がスペースを取らないため、床下に収納を設けることで、季節物や普段使わない物を収納でき、リビングやダイニングがすっきりとします。とくに収納に困っている家庭では、この床下収納が役に立つでしょう。

2-2. 空間を立体的に作れる

小上がり和室を設けることで、平坦な空間に変化を加え、視覚的な奥行きが生まれます。とくにリビングが狭い場合でも、段差があることで、空間に立体感が加わり、広がりを感じさせるデザインとなります。

2-3. くつろぎスペースの提供

小上がりの段差は腰掛けスペースとして活用できます。ちょっとした腰掛スペースがあることで、家族やゲストが集まりやすい空間にも変化。

小さい小上がり和室であれば、段差部分にクッションを置けば、さらにリラックスできるスペースに変えることも可能です。さらに小上がり和室に布団を敷けば、簡易ベッドとしても利用できるため、とくに来客が多い家庭では重宝するでしょう。

2-4. ほこりやゴミが入りにくい

段差があることで、リビングからのほこりやゴミが和室に入り込みにくくなるという実用的なメリットもあります。とくに、小上がり和室はリビングの一部に設置されることが多いため、こうした細かい点が生活の快適さに寄与します。

2-5. 通常の和室より高さがある

通常の和室に比べて小上がり和室は少し高く作られているため、床に寝転がる際に高低差がなく、体に負担がかかりにくいというメリットがあります。また、床に直接座ることに抵抗がある方や、柔らかいクッション性を求める方にとっても、快適さを感じやすいでしょう。

3. 小上がり和室のデメリット

一方で、小上がり和室にはデメリットも存在します。設置を検討する際には、これらの点も踏まえて判断することが重要です。

3-1. バリアフリーには向かない

段差があるため、バリアフリーには不向きです。高齢者や小さな子どもがいる家庭では、転倒のリスクが高まることから、安全面に配慮した設計が必要です。とくに段差の高さが30cm以上になると、使用者にとって負担になることがあるため、設置時には十分な検討が必要です。

3-2. 家具配置の制限

小上がり和室を設置すると、段差のために家具の配置が制限されることがあります。ソファやテーブルなど、通常の家具を設置しにくくなるため、和室専用の家具を新たに揃える必要が出てくる場合もあります。これにより、追加の費用や手間が発生することもあります。

3-3. お掃除ロボットが使いにくくなる

小上がり和室を作ると段差ができるため、ロボット掃除機が自由に移動できないことが多く、掃除の際には手間がかかる可能性があります。お掃除ロボットをメインで使っている家庭では、段差の解消や掃除方法の工夫が必要となるでしょう。

3-4. リビングが狭く見える可能性

とくにリビングの広さが限られている場合、小上がり和室を設置すると、空間が狭く感じられることがあります。小上がり和室 3畳などのコンパクトなサイズを選ぶことで、圧迫感を減らすことができますが、設置前に全体のバランスを考えることが大切です。

4. 小上がり和室を作る際のポイント

小上がり和室を取り付ける際には、デザイン性だけでなく家族のニーズや状況を反映させることが大切です。ここでは、小上がり和室を設置する時に考慮すべきポイントについて5つの視点から解説します。

4-1. 広さの選定

小上がり和室の広さを選ぶ際は、リビングやダイニングの広さ、家族の人数、さらにはどのような用途で使うのかを考慮することが大切です。一般的には3畳、4.5畳、6畳が選ばれることが多く、それぞれの広さにメリットがあります。

たとえば、3畳の小上がり和室は、限られたスペースでもコンパクトに設置できるため、狭いリビングや一人暮らしの部屋に最適です。

一方で、6畳の広めの小上がり和室は、大家族や広々としたリビングにぴったりで、よりゆったりとくつろげる空間を作ることができます。リビング全体の広さや他の家具とのバランスも考慮しながら、どの広さが最適かを十分に検討しましょう。

4-2. 段差の高さ

段差の高さは、使い勝手とデザインの両面から慎重に選定する必要があります。

一般的に30~40cmが理想とされていますが、これは、段差による圧迫感を避けながらも、収納スペースを十分に確保できるバランスだからです。30cm以下だと、収納スペースが小さくなり、収納力が不足する可能性があります。逆に、40cm以上になると、視覚的に圧迫感が生じやすく、とくに天井の低い部屋では窮屈に感じてしまうことがあります。また、段差が高すぎると、小さな子どもや高齢者にとって安全性が低くなるため、自分の家庭に合わせて段差の高さを調整しましょう。

4-3. オープンにするか仕切りを設けるか

小上がり和室をオープンにするか、仕切りを設けるかは、部屋の用途やプライバシーを確保したいかどうかで大きく変わってきます。オープンな状態を維持すれば、リビング全体に一体感が生まれ、開放的な空間を作れるでしょう。来客時にのみ家族のプライベート空間を確保したい場合は、ロールスクリーンやカーテンを使うという手もあります。家族のライフスタイルに合わせて、仕切りの設置方法を検討しましょう。

4-4. 天井の高さとのバランス

小上がり和室の設置時には、天井の高さとのバランスが重要な要素となります。とくに、天井が低い部屋に小上がりを設ける場合、段差によって圧迫感が生じやすくなります。

たとえば、身長が高い方がくつろぐ際には、天井との距離が近すぎると窮屈に感じてしまうことがあります。逆に、天井が高い部屋では、適度な段差が空間に立体感を生み出し、視覚的にも心地よい空間を作り出せます。全体的な空間デザインや天井の高さとの調和を意識して設計することが、小上がり和室を快適なスペースにするポイントです。空間全体のバランスを考えながら、段差や天井高を調整しましょう。

4-5. 畳の種類

小上がり和室は、選ぶ畳によって雰囲気が変わったり、メンテナンス方法が異なったりします。

たとえば、縁付き畳は伝統的な和の雰囲気を醸し出し、落ち着いた印象を与えます。一方で、縁なし琉球畳はモダンな印象を持ち、現代的なデザインの空間にもよく合います。また、畳の素材もポイントで、従来のい草は柔らかく香りが特徴的ですが、メンテナンスが少々手間です。

最近では、和紙畳や樹脂畳などの新しい素材も登場しており、これらは耐久性が高く、色褪せしにくいため、日常的に使いやすい畳として人気があります。使う頻度や生活スタイルに合わせた畳選びをすることで、長く快適に小上がり和室を利用することができます。

5. まとめ

小上がり和室は、リビングやダイニングに立体感を与え、収納スペースを有効に活用できる便利な設計です。理想の小上がり和室を作るためには、広さや段差の高さ、収納機能をしっかりと考慮した上で、自分たちの生活に最適なデザインを選ぶことがポイント。ぜひ小上がり和室を取り入れ、おしゃれで快適な空間を実現してみてくださいね。

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