漆喰壁とは?特徴やメリット・デメリット、メンテナンス方法を紹介

漆喰(しっくい)壁は呼吸する壁と言われており、湿度調整や消臭効果など魅力がたくさんあります。リフォームで壁の塗り替えを考えている方に漆喰壁の特徴やメリット・デメリット、掃除やメンテナンスの仕方についてご紹介していきます。

1. 漆喰壁の特徴

まずは漆喰壁の特徴について知りましょう。漆喰の由来やどんな特徴があるのか解説をしていきます。

1-1. 漆喰(しっくい)とは

漆喰は消石灰(水酸化カルシウム)をもとにした塗り壁材です。

消石灰(水酸化カルシウム)とは、石灰石を高温で焼いた後に水を加えて作られたものです。

そもそも、石灰石とはサンゴ礁が時間をかけて地殻変動によって地表に押し上げられた石灰鉱脈から採掘されたもの。つまり消石灰はサンゴ礁が大元の姿であると表現することができます。

漆喰はこの消石灰に糊やスサといったつなぎ材を加え、水で練り上げて作られた素材なのです。糊やスサというつなぎ材は、主に繊維質の素材が使用されます。使用される繊維質や糊成分は、時代や地域によって異なることが多いです。

1-2. 呼吸する壁

漆喰壁はその通気性の良さにより「呼吸する壁」とも言われます。

漆喰の主要成分である消石灰は、大気中の二酸化炭素を吸収して時間をかけて再び石灰石へと変化し固まる性質を持っています。

この「呼吸」する機能が、適度な湿度を保ちます。

漆喰壁の湿度を調整する機能は、とくに冬の乾燥や夏の湿気を軽減させるために効果を発揮し、一年を通じて室内の湿度を自然に調整することで居心地の良い室内環境を作ってくれます。

また、伝統的な「蔵」の内壁にも使用されている漆喰は、その保存品を湿度変化から守る役割を果たしてきたことから、現代の気密性が高い住宅にも最適な壁材です。

室内でエアコンを使用するときに結露が発生することがありますが、漆喰の壁は周囲の湿度を吸収し調整してくれるため、結露の防止の効果も期待できます。

2. 漆喰壁のメリット・デメリット

漆喰壁はメンテナンスが容易で長持ちし、調湿機能や消臭・抗菌効果に優れています。防火性も高く、自然素材のため有害物質の発生リスクが低いです。

一方でコストが高い、施工が難しいなどのデメリットもありますので、メリット・デメリットを詳しく確認してみましょう。

2-1. 漆喰壁のメリット

①メンテナンスしやすい

漆喰は消石灰を主成分とし、年数が経過するにつれて元の石灰石へと戻り硬化していくため、見た目が長時間変わらないという利点があります。

静電気を帯びにくいため、ほこりやゴミが付着しにくく、清潔さを保ちやすいです。

とくに小さいお子様がいらっしゃるご家庭では、壁に落書きをしても、上から薄く漆喰を塗り直すことで簡単に元の状態に戻すことができます。

ビニールクロスと比較して張り替える手間がなく、消しゴムなどで軽い汚れも簡単に消すことができるため、メンテナンスが簡単です。

②調湿機能がある

「1-2. 呼吸する壁」で解説した通り、漆喰は湿度が高い時には水分を吸収し、乾燥している時には水分を放出する機能により、室内の湿度を適切に保つことでカビやダニなどの発生を抑制する効果が期待できます。

③消臭・抗菌効果

漆喰は強アルカリ性と無数に空いた細かな穴により、抗菌作用と消臭効果に優れています。

pH値は石けん以上のアルカリ性を持つため、カビや細菌の増殖を効果的に防ぎ、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを含む化学物質の分解にも効果があるとされています。、そのため、化学物質に敏感な人にもおすすめと言えるでしょう。

また、漆喰の微細な穴が臭いを吸着し、強力なアルカリ性が中和することで消臭する効果も。酸性の悪臭である体臭・生活臭・タバコの匂いやペット臭などに効果があります。

④防火性

漆喰は非常に耐火性に優れており、火災が起きた場合の延焼を防ぐのに役立ちます。

漆喰は難燃性が高く、建築基準法にも準じた不燃材料としての認定を受けています。

また、ビニールクロスに比べて火が燃え広がる速度も遅いため、防火対策として非常に適していると言えるでしょう万が一壁が燃えてしまっても漆喰は自然素材であるため、ビニールクロスのような合成素材に比べて有害物質が発生するリスクが低いとされているのもポイントです。

⑤耐久性がある

漆喰はその高い耐久性からお城などの歴史的建造物にも使われており、耐用年数が100年にも及ぶとされています。適切なメンテナンスを施せば、長期間にわたり美しい状態を維持することができます。

2-2. 漆喰壁のデメリット

①コストが高い

初期費用が高めであることが多く、とくに質の高い漆喰を選ぶ場合はコストが増大する傾向があります。

②施工が難しい

正確な施工が求められ、専門的な技術や知識が必要で一般的にDIYには向いていない素材と言えるでしょう。

③汚れが目立つ

塗りたての漆喰は表面がザラザラしており、白い粉が落ちやすいので、服に付着することがあります。とくにクローゼット内部での使用は避けた方が無難。

また、漆喰は汚れが目立ちやすく、水をはじかないためコーヒーなどの液体をこぼすと掃除が困難です。汚れた場合は削るか塗り足すなどのメンテナンスが必要になります。

3. 漆喰壁の掃除とメンテナンス

漆喰壁はその自然素材からなる性質上、特別なお手入れが必要です。ここでは、効果的かつ安全な漆喰壁の掃除方法やメンテナンス方法について説明します。

3-1. 日常的なお手入れ

①ほこりや軽い汚れの除去

柔らかいブラシやホコリ取りを使用して、壁面のほこりを優しく払いましょう。

掃除機のブラシアタッチメントを使用する場合は、優しく壁面に当て、強く押し付けないよう注意してください。

②シミの予防

漆喰壁は水分を吸収しやすいため、水や他の液体が壁にかからないよう注意しましょう。

3-2. 汚れの落とし方

汚れが付いた場合は、湿らせた布で優しく拭き取ります。使用する水は少量にし、壁が湿りすぎないように注意してください。

汚れがひどい場合は、市販されている漆喰用クリーナーを使用することが推奨されます。使用前に必ず小さな範囲でテストし、壁面にダメージを与えないことを確認してください。

3-3. 漆喰壁の修復方法

①小さな補修

小さな亀裂や穴は、市販の漆喰補修キットを使用して修復することができます。補修材を適用する前に損傷部分を掃除して乾燥させてください。

②大きな修復

大きな損傷や広範囲の修復が必要な場合は、専門の業者に依頼することをお勧めします。

4. まとめ

漆喰壁は自然素材で作られた「呼吸する壁」です。湿度調整や消臭効果、抗菌作用など、快適な室内環境を支える多くの利点があります。

一方で、適切なメンテナンスが必要であり、掃除やメンテナンス方法を理解することが長期にわたってその美しさを保つ鍵となります。

【おうちのアラート】では、メンテナンスや修理も行なっています。お困りの際にはまでお気軽にご相談くださいね。

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