「自宅のふすまが古くなってきたな」と思ったら、それは和室の印象を刷新するチャンスかもしれません。この記事では、ふすまの張り替えをDIYで挑戦したいあなたへ、簡単でおしゃれな張替え方法から必要な道具、実際の手順までをわかりやすく紹介します。
自分で張り替えを行なえば、価格を抑えつつも、和室の印象チェンジができるはずです。
1. ふすまの張り替えタイミング
一般にふすまの寿命は10年程度とされていますが、色褪せや破れ、手やものでの接触による汚れが目立ち始めたら、それは張り替え時のサインかもしれません。特に、部屋の印象を左右するふすまだからこそ、見た目の美しさを保つためにも、これらの劣化サインを見逃さないようにしましょう。
2. ふすま紙の種類
ふすま紙は大きく和紙と織物に分けられますが、製法によって様々な種類があります。DIYで張り替える際は、コストパフォーマンスの高い紙を選ぶと良いでしょう。
また、最近は洋風デザインやおしゃれな模様のふすま紙も増えており、自室のインテリアに合わせて選べるのが魅力です。例えば、「本鳥の子」は手すき和紙で高級感があり、「新鳥の子」は機械製でコストを抑えつつも品質の高いものが多いです。
ふすま(ふすま)のDIY張り替えを考える際、ふすま紙の選択は重要なポイントです。ここでは、和紙の種類とその特徴について解説します。
2-1. 本鳥の子
本鳥の子は、和紙を手ですいたタイプで、伝統的な和紙の製法により製造されています。この手法では、職人が一枚一枚丁寧に和紙をすくことで、紙の質感や風合いを豊かにします。本鳥の子はその独特の手触りと温もりが魅力で、高級感を求める方におすすめです。特に、和室の雰囲気を格上げしたい場合に選ばれます。
2-2. 鳥の子
鳥の子紙は、和紙を機械ですいたタイプです。手すきに比べて機械すきの方が効率的に大量生産が可能で、その結果、比較的手頃な価格で提供されています。鳥の子紙は本鳥の子に比べて一般的に薄く、使いやすさを考慮したDIYに最適な選択肢です。
2-3. 上新鳥の子
上新鳥の子は、鳥の子紙をベースにした廉価版です。和紙をさらに薄く仕上げることで、コストを抑えつつも、和紙特有の風合いを楽しむことができます。価格を重視するDIYや、一時的な張替えを考えている場合に適しています。
2-4. 新鳥の子
新鳥の子は、機械による大量生産で製造される和紙で、製紙や模様付けを行なったものが一般的です。この種類は、様々なデザインやパターンが存在し、近年では洋風のデザインやおしゃれな模様が多く、インテリアに合わせやすいのが特徴です。DIYでふすまを張り替える際に、空間の雰囲気を変えたいと考えている方におすすめの選択肢です。
3. ふすま紙の施工タイプとその詳細
ふすま紙を張り替える際に選べる施工タイプは、主にシールタイプ、アイロンタイプ、糊タイプの三つがあります。それぞれに特徴があり、DIYにおいてどのタイプを選択するかは、作業のしやすさや仕上がりの美しさに影響します。以下で、これらの施工タイプについて詳しく解説します。
3-1. シールタイプ
シールタイプのふすま紙は、裏面に両面テープが予め施されており、剥離紙を剥がして直接ふすまに貼り付けるタイプです。この施工タイプは、特に初心者におすすめで、糊を使わずに簡単かつ迅速に張り替え作業を行うことができます。また、糊の乾燥を待つ必要がないため、作業時間を大幅に短縮できる利点があります。しかし、一度貼り付けると位置の調整が難しいため、慎重に作業を進める必要があります。
3-2. アイロンタイプ
アイロンタイプは、ふすま紙の裏面に熱で溶ける粘着性ののりが付いており、アイロンを使用して熱を加えながら張り付けるタイプです。この方法では、アイロンの熱によってのりが溶け、紙をしっかりとふすまに固定できるため、耐久性が高い仕上がりになります。また、アイロンを使うことで、気泡を押し出しながら作業を進めることができ、滑らかな表面を実現できます。ただし、熱を均一にかける技術が求められるため、多少の慣れが必要です。
3-3. 糊タイプ
糊タイプは、最も伝統的なふすま紙の張り替え方法で、ふすま紙にあらかじめ糊が塗られているタイプと、自分で糊を準備し、刷毛で塗って貼り付けるタイプがあります。糊を水で戻すタイプは、糊の量を調整しやすく、位置の微調整が可能です。一方、自分で糊を塗るタイプは、作業の自由度が高いですが、糊の扱いに慣れが必要です。糊タイプは、仕上がりの美しさと伝統的な技術を楽しみたい方に適していますが、乾燥時間が必要な点や、糊の扱いに注意が必要な点は考慮する必要があります。
4. ふすまの張り替えDIYに必要な道具
いよいよふすま張り替えDIYの手順をご紹介していきますが、その前に必要な道具をひと通り確認しましょう。家庭にご用意のないものなどもあるため、あらかじめ揃えられるよう早めにチェックしてみてくださいね。
・ふすま紙
・のり/のりを入れる容器
・カッター
・定規
・バール
・茶チリ紙などの下張り用の紙(下張りが必要な場合)
・金づち
・はけ
・ドライバー
・マスキングシールやビニールシート
・ラジオペンチ
5. ふすまの張り替えDIYに必要な道具
それでは次に、自分で行なうふすまの張り替え方法です。以下でご紹介するのは、糊を使って本ふすまを張り替えるときのステップ。枠を外して張り替える大枠の手順は同じなので、シールタイプやアイロンタイプのふすまを選んだ方も参考に目を通してみてください。
5-1. 引き手を外す
まずは、ふすまの引き手を外します。釘で固定されている場合にはバールで釘を抜く必要があります。このとき引き抜いたバールは後ほども使います。無くさないよう、わかりやすい場所に保管しておきましょう。
5-2. 枠を外す
次に、ふすまの枠を外します。枠とふすまの隙間にバールを差し込みましょう。ハンマーで叩きながら隙間を広げたら、手で枠を持ち、枠を傷つけないように注意しながら、少しずつ外していきましょう。枠を外すときはマスキングテープを使って印をつけておくと、後々の張り替えで作業が楽になります。
5-3. 下張りをする
本ふすまの張り替えは下張りが必要です。表面のふすま紙の下に下張用の紙を張ることで、ふすまが丈夫になったり、湿度によるヨレなどを防いでくれる効果が期待できます。
まず茶チリ紙などの下張り用の紙を貼ります。のりを均一に塗り、下張り紙を貼っていきます。
5-4. ふすま紙を切り取る
新しいふすま紙を、必要なサイズにカットします。このとき、定規とカッターを使用して、正確な寸法で切り取ることが重要です。少し1〜2cm程度の余裕を持たせて切ると、後で調整がしやすくなります。
5-5. ふすま紙を貼り付ける
のりを使用して、ふすま紙を貼り付けます。のりは均一に塗り、気泡が入らないように慎重に貼り進めましょう。ハケを使って、中心から外側へと空気を追い出します。
シールタイプやアイロンタイプの場合は、それぞれの指示に従って施工します。
5-6. 枠をはめ込む
ふすま紙の貼り付けが完了したら、取り外した枠を元に戻します。
このとき、枠がきちんとはまっているかを確認しながら、慎重に作業を行ないましょう。
釘で枠が固定されていた場合は、このときかなづちで鍵を元の場所へと戻します。
5-7. 引き手をつける
枠をはめ込んだ後、取り外した引き手を再度取り付けます。引き手の位置や固定がしっかりしているかを確認し、必要に応じて調整してください。
5-8. ふすまを乾燥させる
最後に、ふすまを十分に乾燥させます。のりが完全に乾くまで、ふすまを動かさずに静かに待ちます。乾燥時間は、使用したのりの種類によって異なるため、製品の指示に従ってください。
これらのステップを順に丁寧に行うことで、ふすまのDIY張り替えを成功させることができます。
6. まとめ
ふすまの張り替えDIYは、DIYの中でも道具選びから施工方法、実際の手順に至るまで、初めての方でもチャレンジしやすい内容となっています。ふすまをお手軽に張り替えて、あなたの和室を新しいイメージに変えてみてはいかがでしょうか?きっとDIYの楽しさにも目覚めるはずです。